扇野の宿　扇芳閣

扇芳閣

SENPOKAKU


Ａ、外観	Ｂ、玄関前スロープ	Ｃ、ロビー前のスロープ	Ｄ、フロント脇のスロープ

　概要と感想　

　伊勢神宮に参拝するために、伊勢志摩そして鳥羽にあるバリアフリー及びユニバーサルデザインの宿泊施設を探していたところ、意外にも多いことに驚きました。そして、町づくりに「ＮＰＯ法人　伊勢志摩バリアフリーツアーセンター」が積極的に関わっていることが分かりました。この「扇野の宿　扇芳閣」も、「ＮＰＯ法人　伊勢志摩バリアフリーツアーセンター」と協働してユニバーサルルームをつくったということです。高齢者や障がいを持っている方が伊勢志摩そして鳥羽を旅行する時は、「ＮＰＯ法人　伊勢志摩バリアフリーツアーセンター」にアクセスすることをお薦めします。

　「扇野の宿　扇芳閣」は少し高台にあり、左上写真Ａの建物の前にある駐車場からも伊勢湾を一望でき、清清しい自然と空気のなかに身を置くととても気持ちが良くなります。
　また、ここは山本周五郎の小説「扇野」の舞台になったということです。文学の地になるほどに懐の深い自然と人情が豊かなところではないかと推測しています。
　扇野の里には、めだかの学校（外の水路と通じているところには、カダヤシというめだかによく似た外来種の魚が繁殖しています。めだかは絶滅危惧類に指定されています。）や万華鏡のある音楽人形館や扇望台があるようです。残念ながら、時間の関係で車いすで散策しておりません。散策できるかどうかは、フロントでお問い合わせください。

　左上写真Ａは「扇芳閣」の全景です。中央上写真Ｂは、玄関へのスロープです。中央上写真Ｃは、玄関を入ってすぐ右にあるスロープです。ピアノの奥にフロントがあります。右上写真Ｄは、フロントの脇にあるスロープです。ここを上がると売店があり、客室に行くためのエレベーターがあります。

　さて、部屋で食事ができるというのは、和風旅館の良いところかもしれません。senninにもお気に入りの旅館はありますが、残念ながら畳の部屋ですのでそのまま車いすで移動できるというわけではなく、部屋の入口で車いすから畳のほうへ移乗するのですが、部屋のなかでの移動に疲れるのであります。そういったことを考えますと、左下写真Ｅで分かるようにベッドに隣接して畳の一画を設けてテーブルと掘り炬燵式で足を下ろせるようになっているところがあるというのは嬉しい。ここに料理を運んでくれて部屋で食事ができるというわけです。勿論、畳の一画に車いすから移乗できるということを前提に書いております。
　久しぶりに部屋内で食事をし、いい気持ちで酔いもまわってきたので隣接するベッドにそのまま移動し一時眠ってしまいました＼(^o^)／

　中央下写真Ｆは、外の廊下から４１５号室に入るドアと、洗面台のところにある鏡であります。中央下写真Ｇで浴室と部屋全体の雰囲気が分かると思います。左側の壁に薄型のテレビとチェストがあり、チェストの上にお茶用意一式がありました。右側には畳の一画とベッド、そして奥の伊勢湾側に浴室があります。脱衣室の扉は引き戸、浴室の扉は３枚引き戸となっており間口を広く取るように工夫しておりました。左側の入口から入り脱衣室・洗い場を通って右側の浴槽がある部屋に行くようになっています。
　右下写真Ｈは洗面台ですが、洗面器は和風仕立てになっていて、車いすで膝部分が入るように空いています。

　左下写真Ｉは、浴室の浴槽とベンチと手すりの位置です。浴槽は信楽焼の浴槽のようです。外側から写した下の写真よりも内側のほうがとても味わい深いと感じます。浴槽に入って信楽焼の色あい（アクアマリンやインジゴやあいいろなどの微妙な色あい）を見ながら伊勢湾の景色を眺められるのです＼(^o^)／
　中央下写真Ｊは洗い場で、浴室用のシャワーチェアが置いてありました。

　４１５号室では、浴室とトイレが個室となっています。中央下写真Ｋは、４１５号室内のトイレですが、入口は引き戸で壁側に固定の横手すり、その反対側に上下可動式手すりが設置してありました。
　こういった部屋が一室だけでなく、宿泊人数や好みに合わせて露天風呂付客室が全２４室もあるというから嬉しくなってきます。

　和風旅館のなかに車いす利用者が心地よく過ごせるように工夫された宿であると感じております。

　右下写真Ｌは、売店と同じフロアにあるトイレのなかの様子です。

　駐車場について、特に車いす用スペースはありませんが、前もって連絡しておけば考慮してくれると思います。