町角のバリアフリーの意識

8) なぜこんなトイレに?

壁側にL字型手すりだけの身障者用トイレ         

 先日、某市にあるショッピング・モールを訪れ、身障者用トイレに入ったところ上写真のようになっていました。トイレ内のスペースは自操式車椅子が余裕でターンできる広さがあるにもかかわらず、上写真のように壁側にL字型手すりのみとなっていました。一般的な身障者用のトイレは、下写真のように壁側に「L字型手すり」そして反対側に「可動式手すり」又は「固定式手すり」があるのを見かけます。

 車椅子利用者が椅子から便座に乗り移る際に、側方アプローチで可動式手すりを左右に又は上下に移動したりしますが、便座に腰掛けている時には座位保持のため両サイドに手すりがあった方が良いでしょう。

 脳血管障害などによって半身麻痺の方や高齢者の方にしても、利き腕がどちらにも対応できるように座位保持とともに立ち上がる際の手すりとして、両サイドに手すりがあった方が良いのです。

 他のショッピング・モールでも上写真のように片側だけの手すりを見かけたことがあるのですが、なぜこんなトイレにするのか不思議です。身障者用トイレを設置するぐらいのスペースをとる大型小売店なのですから予算がないとも思えないし、やはり的確なアドバイスをする人がいなかったのではと残念でなりません。

水平可動式の手すり 上下可動ふり上げ式手すり 固定式手すり

平成13年11月 

日本における住環境の現状 / 福祉住環境コーディネーター / 住環境の整備について

介護保険制度と住生活との関係 / 町角のバリアフリーの意識 / 住環境についての質問コーナー