町角のバリアフリーの意識

11) 使いにくい手すり(身障者用トイレ)

某道の駅の身障者用トイレ 某道の駅の身障者用トイレ 某観光地の身障者用トイレ

    

◎某道の駅の身障者用トイレ
 たいてい道の駅には身障者用トイレがあり、車椅子利用者としてとても有難いことであると思っております。

 まことに残念なことですが、今回ここで紹介する左(中央)上写真の身障者用トイレは、L字型手すりがある壁側から便座の端(一番壁に近いヶ所)まで約40cmも空いているのです(L字型手すりは、壁から約7cmの位置にある)。離れすぎていて、便座に座って身体保持をするのにも使いにくいし、L字型手すりを利用して便座から立ち上がろうとする場合にもとても使いにくいだろうと想像しています。

 いろいろな症状の高齢者・身障者が利用するトイレとしては、なぜこんなトイレにしたのか不思議であります。

◎某観光地の身障者用トイレ
 ここの身障者用トイレは、一般の男性用(女性用)トイレのなかに右上写真の身障者用トイレがあります。男性用・女性用とは別に個別に身障者用トイレがあるという構成が多いなかで、一般の男性用(女性用)トイレのなかに身障者用トイレを作るという考え方はとてもいいことだと考えております。このようなトイレが増えて行くとともに、トイレ利用者のマナーが向上して行くのを望んでおります。

 さて、この身障者用トイレの問題点は、右上写真のように便座の高さとL字型手すりの横手すりの高さの位置がほぼ同じであるということです。どのような身体状況の人が使用することを前提にL字型手すりを取り付けたのでしょうか。これでは便座からの立ち上がりに、使いにくい人のほうが多いだろうに。 

※多くの高齢者(足が弱っていて和式の便器では排泄行為が困難な方が増えているようです)・障がい者が使用する身障者用トイレをつくる場合は、実際に利用する高齢者・障がい者の意見を聞くとともにバリアフリーに対して詳しい知識を持った人の意見を聞いてから設計・施工してもらいたいと願っております。

平成13年12月 

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