町角のバリアフリーの意識

9) 安全パトロールと青空知事室

石井知事(左)と小池代表(右)       パトロール(表町商店街にて)         NTTクレド岡山前の歩道         

◎安全パトロール
 石井知事(岡山県)と岡山ガーディアンズ小池代表(左上写真は出発式にて)の先導のもとに、ガーディアンズのメンバー、表町商店街関係者の方々、警察ボランティアの方々、視覚障がい者そして私は車椅子利用者の立場から表町商店街(岡山市)周辺のパトロールに参加しました。

 目的は自転車を路上駐車したり、商店街へ自転車で乗り入れている者に注意の呼びかけを行ったり、右上写真のように点字ブロック上の放置自転車を点字ブロックにかからないように整理したり、中央下写真のような「らくがき」を処理したり(この日は確認のみ)、駐輪場マップ・ガーディアンズPRチラシ・啓発ティッシュ等を通行人に配布をいたしました。

 しかしながら、右下写真のように歩道の上にびっしりと放置自転車があったのでは、車椅子で歩道を通行することができないし、視覚障害を持つ人にとっても点字ブロックを確認できないのでしかたなく危険な道路を通らねばなりません。

 本当に困ったもので危険極まりない状態でした。

 このような放置自転車については早急に撤去してもらいたいと強く感じました。(ちなみに、岡山市自転車等放置防止条例で、市長は、放置禁止区域内において、自転車等が規則で定める相当の時間にわたつて放置されているときは、当該自転車等を撤去し、保管することができる。(第10条2項)とされています。)

歩道にある放置自転車            落書き                   パトロールを終えて(クレド前にて)

※右上写真は、右からガーディアンズ 山田副代表、石井知事、表町商店街連盟 横山理事長、ガーディアンズ 小池代表。 

◎ヤングパワーで地域を守る〜青空知事室 

 概略と感想 

 県民と直接意見交換することによって、県民の声を行政に反映しようというこの青空知事室は、今回で延べ回数110回目で今年に入ってからは17回目だそうです。今回は主に岡山市内で活躍されている「岡山ガーディアンズ」の活動状況と商店街周辺の実態を再確認し活発な意見交換がなされました。石井知事も「岡山ガーディアンズ」の活動に大変興味を持たれたようでありました。

 「岡山ガーディアンズ」は、これ以上地域の治安が悪化しないように定期的に防犯パトロ−ルなどをしているそうですが、小池代表は、まず挨拶から皆さんと接して行ってコミュニケーションをはかり、命令口調や押し付けでないように相手に理由を聞きながら声を掛けて行きたいと話しておられました。

 小池代表はコミュニケーションを「語らい」という言葉で表現されていましたが、地域の皆が打ちとけて話し合うことができるようになれば、少しは相手のことを考えるようになり放置自転車や「らくがき」がなくなって来るかもしれませんね。

 また、山田副代表からは、「らくがき」を消すために所有者の許可がいる(本来、らくがきをする者は、所有者の許可を得てらくがきをしなければならない)のですが、所有者が個人の場合は個人に言えば良いが、公共の物であるなら「らくがき」された建物がどこが管理しているかを調査し許可を得なければならず、それだけで時間がかかってしまうので窓口を統一し早急に「らくがき」を消すことができるようにしてもらいたいとのことでした。(岡山ガーディアンズに興味のある方は、ここをクリックしてください

 表町商店街連盟の横山理事長からは、いろいろな活動を過去試みてきたが、現在は主に商店街の内部に向かってゴミの不法投棄防止やご近所でのモラルの向上に気をつけることによって、それが外に広がって行けばと望んでいるとのこと。

 また、表町おかみさん会で調査を行った結果、ある一日の午前7時半の時点で放置自転車は750台、午前10時の時点で2000台とのこと。確かに駐輪場は不足しているが、買い物客でないと思われる人が大勢自転車を放置しているのではないかとのことでした。

 この数字には私も驚いてしまいました。表町おかみさん会では、表町で買い物がし易いように、自転車をとめる駐輪場と身障者用トイレのマップを作成しました。HPでマップを見ることができます。(おもてちょう「表町商店街」のHP

 表町商店街周辺については、不足している駐輪場の整備とともにモラルの向上が必要であると感じております。モラルの向上には人の心が変わって行かなければならい(山田副代表の言葉)。

 人の心が変わるというのはなかなか難しく時間がかかるものだと思いますが、そのために地域に暮らす人達が協力し合い、岡山ガーディアンズのメンバーとともにマナーの良くない者へ根気よく声を掛けて行くことが大切であると思っております。

 さて、視覚障害を持っている方からは、施設を建設するときには障害者に相談して欲しいとのこと。

 これは、障がい者の声(意見)を反映した建物を作って欲しいということだと思います。それから、公共の建物に入ったら、音声で誘導してくれるような装置を取り付けて欲しいとのことでした。

 車椅子利用者として参加した私は、最近訪問した勝山町にある「神庭の滝」の身障者用トイレの手すりが壊れていたということもあり、せっかく石井知事にお会いできるのならばと、県内の各市町村が管理しているすべての公共の身障者用トイレについて、ドアの鍵や手すりなどが壊れていないかどうか点検するとともに壊れていたら修繕するように知事の方から各市町村に指示して頂きたいとお願いしておきました。

(NTTクレド岡山17階「岡山県男女共同参画推進センターにて) 

 

◎あとがき 

 今回、安全パトロールと青空知事室に参加して、「岡山ガーディアンズ」という団体の名前とその活動を知ることができとても心強く感じました。

 また、表町商店街の関係者も自分達の出来る限りの努力をしておられるように感じております。ものごとが良い方へ向って行くときには大変時間がかかるものですが、逆に悪い方へ向かって行く時というのはあっという間であるような気がします。

 岡山の街もこのまま放っておくと悪い方向へ進んで行くかもしれません。今以上にマナーを悪化させないためにも岡山ガーディアンズの活躍は期待されますが、メンバーと協力して地域に暮らす大人達がもっと若者に目を向けるべきだと感じたしだいであります。

 岡山ガーディアンズのメンバーは学生が多いと聞いていますが、学業とともに週2・3回のパトロールをしているとか。彼らの努力には感心します。入会の動機は先輩に誘われたという方もおられましたが、興味のある方は岡山ガーディアンズのHPを見て応募されてはいかがでしょうか。

 最後に、皆さんが表町商店街の放置自転車のことや「らくがき」の処理についてやマナーの向上についてどうしたら良いか話しておられるのに、障がい者達は自分達の要望だけを話すとご不満の方がおられたかもしれません。

 しかしながら、表町商店街周辺の放置自転車が通行の妨げになり危ないということは身をもって承知していますので、私にとってみれば表町商店街周辺のエリアも大切なのですが、せっかく岡山県内に権限の範囲がおよぶ石井知事とお会いするのですから、もっと広いエリア(岡山県内)でお願いをしておきたかったのです。

 石井知事と直接お話して意見交換する「青空知事室」は大変意義あるものであると実感しております。この日「青空知事室」で出されたそれぞれの要望を実行してくれるものと強く期待しております。 

 

◎その後、県公聴広報課 森廣氏より下記内容のメールを頂戴しました。

 先日は、お忙しい中、青空知事室にご参加いただき、また貴重なご意見をいただき、まことにありがとうございました。
 なお、青空知事室で出されましたご意見・ご提案等は、関係部局に連絡し、できる限り施策に反映して行くこととしております。
 今後とも、よろしくお願い申し上げます。 

 表町商店街(岡山市)の安全パトロールとその後に催された青空知事室に参加した模様を反映させたいとこのページを作成し岡山県公聴広報課にお知らせしましたら、上記のようなメールが返信されてきました。
 以前から、青空知事室で出された意見や提案に対して、その後どのような対応がなされているのか疑問に思っていたのですが、森廣氏からのメールの内容を読んで少し安堵しております。

 また、11/22付けの毎日新聞にて、「落書きは5万円以下の罰金」ということで、県によると罰金を明記した落書き禁止条例は都道府県では初めてで、来年4月からの施行を目指しているとか。11/16に表町商店街周辺を石井知事自身がパトロールしてみて、あまりにも悪質な落書きに対処するために英断されたのではないかとエールをおくっております。 

平成13年11月 

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