はじめに(パリ)

  ヨーロッパ大陸に足を踏み入れたい。ヨーロッパの文化を肌で感じたい。ヨーロッパの何処に行けばsenninとパートナーの気持ちを満たしてくれるだろうか。イギリス・ドイツ・イタリア・北欧そして他の国皆好いところがあって行ってみたいと本当に迷いましたが、やはり世界の中で最も有名な街、歴史を感じさせてくれる街、いろいろな意味で馴染みの深い街「華の都パリ」が一番に頭に思い浮かんだのです。
 しかしながら、senninが車椅子利用者ということもあって、パリの事情が分からないのでとても不安でもありました。パリについて市販されている本や雑誌を見ても、車椅子利用者が観光できる場所やパリの事情について特別に記述しているのを見ることはありませんでした。インターネットで見つけた「フランス・ツーリズム旅行情報局」は、フランスについての情報が盛沢山で素晴らしい内容のHPでsenninも参考にさせて頂いたのですが、残念ながらsenninが望む車椅子用トイレや観光場所の写真などはありませんでした。唯一、「フランス政府観光局」で頂いたガイドのみに「車椅子マーク」を見るぐらいでした(日本においての情報収集参照)。文化の違う見知らぬ街に行って、車椅子利用者がパリで暮らすように時を過ごし観光できるだろうか。不安はいっぱいでしたが、そんなこと日本で考えていても仕方ありません、パリに行ってみなければ分からないのです。
 とにかく、車椅子で観光できる場所があまりなかったという最悪の場合を考えて、宿泊施設だけは車椅子に対応した部屋を確保しておきたいと思いました(パリのホテルに着いてビックリ! 部屋が車椅子対応になっていない! このトラブルを解消するのに時間もかかり本当に難しかった。過ぎ行く時間は取り戻せないので大変辛かった。トラブル回避の仕方(バリアフリーの認識)参照)。
 当初の予定では、senninの身体の調子によっていつでも休むことができるように同じホテルに10日間滞在するという、日本旅行主催の個人で旅するパリ10日間+延泊2日間のパリ12日間のプランを選択しました。ですから、パリでの時間はすべて自由ではありますがその代わり全てにおいて準備も必要になってきます。自分達で計画を立てておかねばなりません。宿泊するホテルからの計画を思い巡らすのです。あれもしたいこんなことも体験したい、曜日によって休みの場所もあるので効率良く観光できるように電子手帳に入力して行くのです。そうなんです、計画を立て始めた時から既に旅は始まっているのです。そして、個人旅行の場合は、この計画の緻密さや情報収集によって有意義な旅となるかどうかが決ってくると思っています。
 旅行会社のオプショナルツアーに参加できるかどうか問い合わせてみましたら、車椅子利用者に対して対応できないということであった。パリの事情が何も分っていなかったので不思議に感じたのですが、そのことについてもおいおい話していきたいと思っています。
 
 いろいろな不安を抱えながらパリに出発したのですが、senninとパートナーの二人だけでフランス語も英語すら上手く話せないのにパリのあちらこちらを観光しよく無事に帰って来られたものだと自分でさえも感心しております。それにしても、初めてのパリ旅行でパリの街中を日本の車椅子利用者がこんなにも歩いた(手動用車椅子で移動)人も少ないのではないかと思うほど散策して来ました。
 それでは、senninの見てきたパリについてお話して行きましょう。

 大きく3つの項目に分けて説明して行っています。「旅の準備」は、日本ですべきことと日本での対応(出発時の空港)などです。「パリの事情」は、現地の事情と空港においての対応とホテルなどです。最後は、「観光」についてですが、観光施設がどのくらい車椅子に対応しているかを説明しています。
 senninのHPを車椅子利用者が参考することによってより良い旅になればと祈っております。

平成14年7月上旬 現在

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