バリアフリーの認識

DISABILITIES P1

 ホテル申込の経緯と実態

 パリを散策するにあたって、各観光施設が車椅子に対応しているかどうかの情報を持っていませんでしたので、もしも各施設の観光が出来なかったとしても宿泊施設だけは車椅子に対応しているホテルにしたいと思いました。最悪でも宿泊施設の周りを散策できますので、パリの街角の雰囲気は味わえるということです。それで、ホテル内及び部屋内を自由に一人(車椅子)で動けることと車椅子に対応した設備がある部屋を確保したいと思いました。
 まずパリ旅行(特にホテル)に対しての申込の流れであります。パリ旅行のための旅行会社をどこにするかでありますが、日本全国に支店があり、入口がフラットにて車椅子で入りやすいN社O店がありましたので、こういうところならsenninさんの要望を満たしてくれるような旅行の手配をしてくれるのではないかと期待して相談をしました。そこで最も心配していることをストレートに言ってみました。「一つのホテルに約10日間滞在したいのですが、ホテルが車椅子に対応できていなければパリの旅行自体を取りやめねばなりませんので、まずは車椅子に対応したホテルを探してみてくれませんか」と、対応してくれたN社O支店の社員に言いました。「もしも、車椅子に対応した部屋を持つホテルが見つからなければパリ旅行を取りやめねばなりません」とも付け加えました。
 この大手のN社は、パリに支店をもつM社と提携をしているということで、私が望むホテルがあるかどうか問い合わせてみてくれるということでした。数日後、車椅子に対応した部屋を持つホテルがありましたと連絡がありました。その時に紹介されたのが「リベルテル・ラファイエット」でした。他になければ仕方ありません。
 インターネットで検索してみましたら、「リベルテル・ラファイエット」を見つけることができましたが、写真では玄関に段差があるように見えましたので、そのことをO支店の担当者に告げホテルについて再確認してくれるように依頼しました。後日M社から送られて来た下記の内容の用紙を見せてくれましたので、念のためコピーをいただきました。

1)玄関には少し段差がありますが、車椅子で簡単に通り抜けることができます。
2)ホテル内はすべてフラットになっております。
3)廊下は広く車椅子で十分に通行できます。
4)また、車椅子の方がお一人で自由にホテル内を動きまわれますし、外出も可能です。
5)確保しております部屋は車椅子の方用にデザインされておりどこでも自由に動くことができます。
6)またフラットになっております。
※1)〜6)は回答をそのまま転記しました。

 ここまで明確に回答がありましたので、ホテルについては安心しておりました。

 しかしながら、パリについてホテルに到着してみると1)〜6)の記述とは違っていました。ホテルの玄関は約20cm以上の段差があり、senninさんの場合は介助者が必要でありました。ホテルのロビーから002号室に行くために開き戸を開けて通らねばならないが、重いので開き戸は誰かに持っておいてもらわなければならない。高い段差があるので取り外しができる急勾配のスロープを置いてくれたとしても一人では通りぬけることはできなかった。介助者がいても誰かに扉を開けて持っておいてもらわなければならなかった。
 002号室の扉は内開き戸で、扉の有効幅員は車椅子が通れる幅があるのだが、建物の構造上張り出している部分があったため部分的に室内の通路は狭くなっており車椅子が通るのにギリギリであった。
 朝食時のレストランは地下1階にありエレベーターを利用するのだが、エレベーターの中に車椅子で乗り込むとそのままの状態で、エレベーターのなかのスペースが狭いので向きを換えることはできなかった。エレベーターから地下1階にあるレストランまでの通路は狭く、介助者がいないとこのレストランに容易に行くことはできなかった。
 002号室内の便器と壁側手すりとの関係で、便器横の壁側の手すりは、便器の縁(壁側に近い縁の位置)から約90cm離れているので、身長約170cmの私には手が届かなかった。この手すりの横にトイレットペーパーがあるが、勿論便座に座った状態から手が届かなかった。便器の後ろの壁にも手すりがあるが、この手すりは便器の縁(壁側に近い縁の位置)から約60cmで、この手すりにも手が届かなかった。(体位を安定させるための手すりがないので、身体をひねって後ろにある手すりを掴もうとすると倒れてしまう。)
 浴槽に入るための移乗できる台(スペース)も手すりもなかった。洗面台は高く、車椅子対応ではなく立ったまま歯みがきできる健常者が利用できるように設置されたものと感じた。ホテル内の写真は「リベルテル・ラファイエット」のページを参考にしてください

 結果的に「リベルテル・ラファイエット」に宿泊して旅を続行することはできないと判断したsenninさんは、M社パリ支店と交渉して「ノボテル・レ・アル」を紹介してもらい移動することにしました。

 では、なぜに車椅子に対応していないような「リベルテル・ラファイエット」をN旅行会社O支店は紹介したのでしょうか。

N旅行会社の手配の仕方とホテルの星

平成15年1月中旬 現在

バリアフリーに対する認識 

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