最後に(パリ)
パリから帰ってきて、早いもので半年が過ぎようとしています。オイオイ随分遅い書き出しじゃないかと笑われてしまいそうですね。まあ、パリ旅行を振り返ってみての感想ですので、半年ぐらいの間はあってもいいでしょう。しかしながら、おかしなものでまだまだ余韻が残っているかというとそうでもなく、逆に本当にパリに行ってきたのだろうか、あのパリで過ごした10日間は嘘ではなかったのかと思うことさえあります。夢のような日々だったんでしょうかね。それでも、テレビや雑誌などでパリのことを話題にしていると、不思議と脳裏に蘇って来るのです。それでは、パリで過ごした日々をもう一度思い起こしてみましょう。
パリの最初のホテル「リベルテル・ラファイエット」に到着した日とその翌日と翌々日の「ノボテル・レ・アル」にホテルを替わるまで、本当にどうなるものかと不安でいっぱいでありました。パリ滞在期間中はすべてフリーにしていたので、まるまる自分達の時間が持てると思っていましたが、本当はなくても良いはずのいらない時間と労力を費やしてしまったことが残念でなりません。「ノボテル・レ・アル」に移るまで、現状を打開しなければならないという気持ちが先にたち観光どころではなかったのです。そういうなかで、M社パリ支店のK氏が、我々の置かれている状況を理解し、電話ではありましたが接してくれましたので大変心強く感じたものです。しかしながら、K氏だけの判断ですべてを解決できませんので時間がかかってしまったように思います。
前もって立てていた計画も、ホテルが替わったり時間が足りなくなったりしましたので変更と修正をしなければなりませんでしたが、起きてしまったことをパリでいつまで考えていても旅は楽しくなりません。「ノボテル・レ・アル」に移ってから心を新たにして旅の始まりなのであります。
パリの街のなかがどの程度車椅子に対応しているのか分りませんでしたので、まずはパリで車椅子に対応した施設の情報を得ようと、パリの街角を散策するのですが、結局日本の「フランス政府観光局」で手に入れた小冊子(車椅子対応の施設がリストされたもの)が今回の旅で一番参考になったわけです。それでも情報を得るために、パリの街角を動き回ったことは無駄ということではないのです。このことによって「通り」や「建物」の名前と位置を把握することができましたので、こんどは頭の中で地図を描くことができよりパリを身近に感じることができたのです。パリの街角を散策するというのが第一の目的だっただけに、美術館や観光名所にも車椅子で訪れることができ、とても有意義な旅ができたと感じております。「パリの観光」のページにあります観光名所を訪れるために、またパリの街角を車椅子で散策するために走行した距離を合わせると延べ約35km以上になったようです。パリ市が東西約12km、南北約9.5kmですから、よく車椅子で動き回ったものだと自分でもあきれております。これがsennnさんの旅の仕方でありますが、皆さんはどうぞ効率がよく疲れない観光をなさってください。
個別の観光についての感想は「パリの観光」をみて頂きたいと思います。それにしても、諦めかけていた「ヴェルサイユ」に訪問できたことは本当に幸運でありました。それも日本語が話せるガイド付きで、車椅子利用者にも慣れていそうだったので言うことはありませんでした。
街角の建物そのものに伝統や芸術を感じますので、パリ市街を散策するだけでもパリにやってきたかいがありますし、美術館で名画を鑑賞し思いもかけない体験ができましたことは誠に素晴らしいことであると認識しております。パリは伝統と芸術と文化の街なんですね。
また、遊覧船に乗船することができセーヌ川から両岸の風景を眺めることができました。実際に自分の肌で周りの雰囲気と自然の爽やかな風を感じることができ、テレビや雑誌では分らないことを実際に体験できたことに、誠に幸せを感じるしだいであります。
いろいろな不安を抱えながらパリに出発したわけですが、それが思ってもみないところで的中してしまいました。それでも事故や怪我をすることなく無事に日本に帰って来られたことが何よりのことだと思っております。
次回パリに行くことがありましたら、「モンマルトル」・「モンパルナス」そして夜の街角散策とナイトショーを楽しみたいと思っております。「Paris Trip」のガイドさんが「パリから離れたところにも素敵な場所がいろいろとありますよ」と言っておりましたので、そちらのほうにも足をのばしてみたいと思ったり計画は膨らむばかりであります。計画を立てている時が一番楽しい時かもしれませんね。
また、いつかパリに是非行ってみたいと思っております。
最後に、senninのHPが車椅子利用者のパリ旅行のための参考になればと願っております。
平成15年1月中旬 現在