旅の準備

 旅の準備については市販の本でも最初か最後の項で述べられておりますが、senninは主に「フランス・ツーリズム旅行情報局」の旅の準備というページを参考にしました。フランスに行かれる方はこのHPを見ておくことをお薦めします。
 旅立つ約1ケ月ほど前のテレビのニュースで、信号待ちで(渋滞で)停車していた車の運転席のドアを開けて、女性ドライバーのバッグを無理矢理引っ手繰るという映像を見ました。オイオイ、ほんまかいなぁ、パリは物騒な所なんやな、と内心怖くなりました。危機管理というか、危機に対する準備はしておいた方良いと強く感じました。
 日本とパリは遠く離れており容易に帰れるわけではないので、現地で困らないように念には念を入れて準備しなければなりません。
 「フランス・ツーリズム旅行情報局」の旅の準備のページと重複するかもしれませんが、senninがした準備を述べたいと思います。 

※「フランス・ツーリズム旅行情報局」の「車椅子、体が不自由な方の旅」のコーナーではフランスでの現状がうかがえますので必読だと思います。 

◎持ち物
 1)〜5)をパリに持って行きましたが、senninの貴重な物の順番でもあります。

※ミネラルウォーターは機内で出るので何の問題もありませんが、senninはミネラルウオ−ターや緑茶のペットボトルを冷凍庫で一晩凍らせて持って行きました。これが案外長持ちがして、パリに着くまで氷入りのお茶を飲むことができました。100円ショップでのペットボトルの入れ物は安くて便利でしたが、水滴が染みるようなので気を付けてください。 

1)シークレットベルト
 素肌又は下着の上からウエスト辺りに装着するベルトです。緊急用のメモ用紙・写真・帰りの航空券・海外旅行傷害保険の証書・現金(パートナーのことも考えて3万円)・クレジットカード(A)などを薄いナイロン袋の中に入れてシークレットベルトのなかに入れた。他の物全てを失っても日本に帰ることができるという緊急の最後の砦のような考え方です。これを獲られるという時は命も危ないと考えられるほど大事なものです。

※パスポートはケースに入れて服の下に入れて首から下げた。パスポートは入出国の時に見せるのに必要であるが、その他一部の美術館以外では見せることはなかった。  

※財布(ユーロの現金・クレジットカードBなど)・T/Cカード 

2)車椅子とカッパ
 車椅子の背もたれのクッションカバーの中にカッパを入れた。カッパは上(上着)・下(パンツ)の上(上着)と下はパンツではなく「カッパのスカート」(風呂敷の形状でウエストのところがマジックテープになっている。脱着が容易である。100円ショップにあった。)をクッションカバ−の中に入れておいた。

3)ポシェット
 ポケットが多い小物入れを服の上から腰に身に着けた。常備薬2日分・巻尺・磁石・小さい手帳・ペン・ナイロン袋(透明及び不透明)・ウエットティッシュ・虫ゴムセット・デジカメ・パスポートのコピー(縮小して小さい透明のケースに入れた)・地図のコピー・バンドエイドなどを入れておいた。旅行中は常時身につけていた。本当に、パスポートのコピー(縮小して小さい透明のケースに入れた)で通ることもありましたので便利でしたよ。

※パリの情報と計画その他を入力した電子手帳(パームパイロット)とヴォイスレコーダー(街角の音を収録するため)を胸ポケットに入れて持ち歩いた。 

4)機内持込用バッグ
 常備薬・ナイロン袋(透明及び不透明)・旅行会社からもらった旅行日程表・変圧器・充電器・変換用プラグ・小物入れ用ケース(CFカード・スマートカード・デジカメの充電池・単四電池など)・衣類(1日分の着替え)・マスク・耳栓・シップ薬・髭剃りセット・歯磨きセットそして保険証書のコピー・エールフランスに提出した診断書のコピー・常備薬の処方箋(主治医に英語で書いてもらいましたが、特に見せることはありませんでした)・旅行会社からもらったホテルの内容(車椅子対応)を記入した用紙のコピーなどをA4ファイルに挿んでバッグに入れた。 

5)スーツケース
 衣類・ナイロン袋(透明及び不透明)・湯沸し器・洗濯用品・入浴用品・デジカメの三脚・各種クリアファイル・地図・仏語辞典・会話集・各種クッション・パンク修理セット・ウエットティッシュ・ポケットティッシュ・オペラグラス・本2冊などそして空いている所にミネラルウオーター・緑茶のペットボトル・割り箸とフォークなどのセット・インスタント食品を入れて行った。

※毎日ご飯と味噌汁を食べたい和食党のsenninは、湯沸し器はレトルトのご飯又はカップヌードルを食べるために必需品なのであります。
※車椅子のタイヤの空気を入れるための携帯用ポンプはあった方が良い。(ホテルでタイヤの空気を入れたいと申し出たが、空気口のサイズが合わないと言って断られた。パンク修理セットと虫ゴムセットを持っていても何にもならなかったのね(^_^;) )
※インスタント食品はなるべく違った種類の物を持って行ったほうが楽しみが多いかも。

◎日本での情報収集
 パリに関する市販の本、インターネットでは「フランス・ツーリズム旅行情報局」(身障者用のページあり)、そして「フランス政府観光局」など。 

※「フランス政府観光局」 

住 所 : 東京都港区赤坂2−10−9 ランディック第二赤坂ビル 9F
電 話 : 03-3582-6965
URL : http://www.franceinformation.or.jp/index/index.html  
 車椅子用のガイドブックが陳列棚に一つも見当たらなかったので、職員の方に問い合わせてみました。パリの観光案内所からガイドブックやパンフレットが送られてくるのですが、ここ7・8年前ぐらいから車椅子用のガイドブックは送られて来なくなったと話してくれました。それで、7・8年前の物ですけれどもと言って「PARIS Ile-de-France 美術館・博物館・記念建造物ガイド(1995年)」を頂きました。日本で手に入れた唯一の車椅子に関する観光の情報誌でありましたので感激でありました。
 観光局はビルの5階にあり、1階の出入り口にスロープはあったが、senninにとっては勾配が少し急であり一人でやっと登れるぐらいでした。スロープは上がる時よりも下る時の方が注意を要した。気を付けないと歩道に飛び出る形になるのです。(介助者がいたほうが安全であろう)。エレベーターあり。車椅子用トイレなし。

◎旅行会社の選び方
 パリの情報に精通していて、宿泊施設の周りの環境や部屋の状況などを口頭だけでなく書面を見せて説明できる、できれば間違いのないように写真を見せて安心させてくれる会社がベターであると思います。観光地についても車椅子対応になっているかどうかの情報を持っている旅行会社に手配を依頼するほうが良いでしょう。会社の規模を重視するよりも、担当者の車椅子利用者に対する知識やそれで手続きには何が必要か、何をこちらが必要としているかを把握して旅行の手配のしてくれるかが重要であると思います。勿論担当者だけでなく会社も車椅子利用者が旅行するための受け入れ態勢が整っていなければなりません。たとえ、現地に支店(提携会社)を持った大手の旅行会社であっても、書面や写真を出して説明できないような会社の信頼度は低いと思っておいたほうが良いでしょう。 

◎ツアー旅行の選び方
 仏語や英語に堪能で流暢に話せる方でしたら、旅行会社のツアー旅行ではなく個人的に直接航空券やホテルの予約をした方が安くつくかもしれません。というのも旅行会社のツアー旅行の方が個人で直接手配する旅行よりも安くつくはずなのですが、sennin(車椅子利用者)の場合は今回車椅子対応の部屋を依頼しましたので、部屋指定料金なるものを一泊(一部屋)につき八千円支払うこととなってしまったので割高についてしまった感じがします。パリ以外の海外旅行では特別に部屋指定料金を支払ったことはないので、地域又は旅行会社によっても違うかもしれません。
 さて、語学に堪能でない方(sennin含む)は、空港からホテル間の「送迎付き」とホテルの車椅子対応の部屋だけは手配しておきましょう。「送迎付き」については、空港において特別に依頼すること(機内専用車椅子の積込)があったり、ホテルのチェックインの時に部屋を送迎のガイドさんと一緒に確認できた方が良いからです。(但し、約12.5時間のフライトを終えてパリに着きホテルの部屋に入った時には、疲労感と安堵感だけで他のことは考えられず、すぐにベッドで休んだsenninでした。車椅子対応になっている部屋であると思いこんでいましたし、考える余裕もなかった。)
 ご自分の身体のことを考えて、あまり無理なプランを選択しないほうが良いでしょう。
※初めての欧州旅行でしたら、身体に負担がかからないようにパリなどへは直行便のほうが良いでしょう。

○senninの選んだツアー
 日本旅行主催 個人で旅するヨーロッパ パリ滞在型10日プラス延泊2日の合計12日間 ホテルはシルバープランで朝食10回付き、空港・ホテル間の送迎付き
 割増となったもの : 直行便指定、ホテル指定、部屋指定(車椅子対応の部屋)

◎現金・クレジットカード・トラベラーズチェック
1)現金
 日本でユーロ通貨を扱っている銀行は、東京三菱銀行及びその他取り扱い銀行なのだが、金種を自由に選択できるのはsenninの知っている限りでは東京三菱銀行である。手数料は1ユーロにつき5〜6円というところでしょうか。
2)クレジットカード
 パリではVISAカードの方が使い易いであろう。
3)トラベラーズチェック
 最初っから使用を断る店もあるが、トラベラーズチェックを目の前に出して見せて「OK?」と尋ねれば、首を縦に振ってOKと言ってくれる店もあった。小額紙幣やコインを手に入れたい時に使用したいのは分かるが、大きい金額で小額の物を買おうとする行為は嫌われるであろう。
※金額とVISAのマークと発行銀行を確認しようとしているのか? 店員が確認するのに少し間があった。

※CITI BANK 

 ここの銀行のキャッシュカードで、パリのATMからユーロが直接引き出せます。日本でCITI BANKに普通預金口座を開設して、キャッシュカードがあれば引き出せるのです。手数料は1ユーロにつき約3%前後ということですから、日本又はパリで換金するより安いと思いますし、必要な時に出せば良いのですから安全です。
 旅行時など一時的にカードを作ることも可能です。詳細は下記のHPをご覧ください。
 T/C(トラベラーズチェック)を作る時も手数料は無料です。
http://www.citibank.co.jp/

関西空港から出国 

平成14年7月上旬 現在

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