今回は建物とか設備などといった物理的なバリアフリーではなく、精神的なバリアフリーについて触れてみたいと思います。
今までの多くの絵画は、人物や風景のなかに生命力や優雅さや優しさ他が描かれていたように思います。このページで紹介する富岡静男氏の絵は目に見える物理的なもののなかにではなく、心に映し出されたそのもの「精神」を描くというかたちの絵で、これまでの絵画にはない新しい分野の絵であると感じております。
絵というものはこういうものでなくてはならないという既成概念のなかだけにとどまるのではなく、絵のなかにもいろんな世界があっていいと思っております。絵画の世界もバリアフリーでありたいと思っております。
上写真の絵は「花鳥風月」という題であります。花鳥風月とは一般的に「自然の美しい景色」という意味があります。この「花鳥風月」はストレス社会に住む現代人に、四季の素晴らしい自然を愛するとともに、自然を愛する豊かな心で人も愛して欲しいという願いがこめられた絵であると聞いております。
この絵を鑑賞しているうちに、自然のなかで無邪気に戯れるような躍動感と、草原のなかで仰向けになりながら目を閉じて、ただただ新鮮な空気と漂う雲などを思い浮かべて自然のなかに我が身を置いて楽しんでいるような、「動」と「静」の花鳥風月の味わいを感じております。
自然のなかに人を、人のなかに自然を同化させながらそれぞれを愛しむ心を抱くことはとても大切なわけですが、日々の生活が多忙であればあるほど忘れがちなことでもあります。花鳥風月を身近に感じ、豊かな心を思い出させてくれるような素敵な絵であると感じております。
また、花鳥風月には、もう一つ「風流な遊び」という意味があります。
私は車いすで生活しているのですが、「風流」とか「わび」とか「さび」という和の風情が好きで、そういう環境に接したり感じてみたいと思っています。
畳の上で正座をして、姿勢を正しほどよく張りつめた空気のなかで、風の流れを心で感じながら、あるいは小鳥の囀りを聴きながら、静かにお茶をいただきたいと願っている自分がいることに、ふと気がつくことがあります。
しかしながら、正座ができない今の私には願ってもかなわないことであります。何とか、いす座の姿勢で四季の自然を感じるとともに和の風情を感じることはできないだろうかと思っていましたところに、富岡氏の「花鳥風月」と出会ったのです。
一日の大部分がいす座の姿勢という洋風の生活のなかに、古風な「和」の心を融合させた生活様式を、この作品から見付け出せるかもしれないと随分眺めておりました。
他にも素晴らしい作品が展示されておりまして、各題にあった部屋がいくつもあったらどんなに生活が豊かになるだろうかと思いつつ展示場をあとにしたしだいです。
※「花鳥風月」の写真は、富岡氏の承諾を得て掲載しております。
平成16年10月上旬現在
香川県高松市出身の画家。香川県美術家協会会員。
サロン・ド・ロートレック正会員、仏日芸術親善大使、ルーブル・ロイヤルアカデミー認定作家(フランス)、ヌーベル・ルネッサンス芸術評議会認定作家(フランス)、ヴェネチア国際芸術協会認定作家(イタリア)
「こころ」を描くというのは大変難しいことですし、ややもすると理解しがたい世界のように思われがちですが、富岡氏の作品は国内だけでなく海外でも高い評価を得ているようです。心で感じるというのは世界共通のことのようです。
ここでは海外についてのみの受賞や出展を紹介します。
2001年
ネオジャポニズムフェスティバル展「日仏文化交流芸術賞」受賞 (仏・ツウルーズ市)
「ロートレック芸術大賞」受賞」 (仏・アルビ市) (サロン・ド・ロートレック正会員に認定される)
EXPO ARTEC21展「絶対的創造賞」受賞 (仏・パリ市・オランジュリー美術館)
バトリヨ邸芸術大展「アントニオ・ガウディ芸術大賞」受賞 (スペイン・バルセロナ市)
「アントニオ・ガウディ芸術大賞」・「ACEA バルセロナ国際サロン賞」受賞 (スペイン・バルセロナ市)
2002年
Kunstathetik2002展 「オーストリア・日本文化芸術史偉業賞」受賞」 (オーストリア・ウィーン市)
La meraviglia展 「メラヴィリア国際金賞」 (イタリア・ヴェネツィア市)
2003年
フランス・パリ・美の革命展 IN ルーブル 「カルゼル・ルーブルグランプリ」・「トリコロール芸術平和賞」ダブル受賞 (仏・パリ市)
「国際アートフェア・ゲント・ベルギー2003」出展 (ベルギー・ゲント市)
2004年
アートオリンピックinアテネ 「銀メダル」・「アクシード ジ アポロ賞」受賞 (ギリシャ・アテネ市)
2004カンヌ国際芸術祭 「黄金の精神賞」・「コートダジュール国際芸術賞」受賞 (仏・カンヌ市)
2005年
「大世界イデア美術賞」受賞」 (イタリア・ヴェネチア)
「ハプスブルグ芸術美学賞」受賞 (オーストリア・ウィーン)
2006年
「美の軌跡展芸術賞」受賞 (エジプト・ムハムード カリール美術館)
「北京国際芸術博覧会銀奨」受賞 (北京・中国国際貿易センター)
「ヴァチカン市国・クリスマスアートフェア」出展 (ヴァチカン市・国立ガレリア デ アルテ)
「ニューヨーク芸術祭」出展 (ニューヨーク市メトロポリタン パビリオン)
2008年
日仏修好150周年「ブロワ日仏芸術祭」出展 (フランス・ロワール市)
2009年
「メラヴィリア伊日美の饗宴」出展予定 (10月・イタリア・ファルセッティ宮殿)
※下記のSANUKI・TV(さぬき・TV)にて、インタビューの様子を動画で観ることができます。
富岡静男展(場所:高松市朝日町 ギャラリー MON)
(2009/6/10):インターネットテレビ SANUKI・TV(さぬき・TV)にて
「可能性への挑戦 01」:絵画への思いと独創性について。フランスの美術月刊誌「UNINERS
DES ARTS 3月号(2009)」に掲載されました。
「可能性への挑戦 02」:作品の紹介と海外での評価について
※「富岡静男・小品展」が下記の「ティー ギャラリー モネ」で現在開催中(2009年6/2〜6/30)であります。
平成21年 6月 中旬現在
2016年
「古代都市ブリンディジ創世芸術祭大賞」 (イタリア)
2016年3月18日〜19日にイタリア共和国の古代都市ブリンディジで開催された「古代都市ブリンディジ創世芸術祭〜街道の女王に導かれし日伊の使者たち〜」において、富岡静男氏が「古代都市ブリンディジ創世芸術祭大賞」を受賞されたとのこと。誠におめでとうございます。
日本人が海外で認められるというのは本当に嬉しいことであります。それも日伊国交樹立150周年記念で、世界に誇る芸術家を輩出している芸術の国イタリアで、日本人画家が認められることは本当に嬉しいことです。
日伊国交樹立150周年記念「古代ブリンディジ創世芸術祭」http://www.myy-com.net/ex27/index.html
平成28年12月 下旬現在
2018年
「イタリア芸術最高金賞」 (ジャパンアートフェスティバル イン トリノ 2018)
2020年
「モナコ・日本芸術の架け橋賞」 (第14回 モナコ・日本芸術祭 2020)
「ミラノ国際芸術賞」 (第1回 ミラノ・ジャパンアートコレクション)
令和 3年 7月 下旬現在