町角のバリアフリーの意識

 

33) 平成25年度 地域貢献プロジェクト
興陽高校「造園デザイン科とのコラボレーション」 

ユニバーサルデザインを取り入れたテーブル&ベンチの製作(赤木先生と6人の生徒さん達) 

平成 26年 3月 31日 撮影 

A、くじらの庭 B、仮置きのテーブルといす C、ベンチ 
 尾畑先生 撮影  平成26年1月24日 撮影  

農業機械科 3年 6名(平成25年度)

 概要と感想

 農業機械科のテーブル&ベンチの製作の紹介に入る前に、まずバリアフリーUD(ユニバーサルデザイン)について簡単に記述しますと、バリアフリーとはすでにあるものや人に対してのバリアをなくするということで、建物や設備などの物理面だけでなく、情報面(手話・音声・字幕・映像など)や制度面(バリアフリー新法など)、人の心といった精神面などの様々な障壁を取り除いて高齢者障がい者(手足の障がい・視覚障がい・知的障がい・精神的障がいなど)・子供外国人・その他困っている人などが社会参加できるようにすることであると思っています。

 UDは新規につくるものについての製品人をとりまく環境づくりについて7つの原則(公平性・柔軟性・単純性と直感性・認知性・安全性・効率的で疲れない・利用のためのサイズと空間があること)があり、最初からバリアのない世界を目指していますが、それは主に物理面についての原則であると考えています。

 現状ではバリアフリーとUDのどちらの考えが優れているかを問題にするのではなく、「よりよい社会」や「過ごしやすい町づくり」にしていくためには両方の考え方が必要であると考えています。

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 さて、平成26年1月24日(金) 興陽高校内で農業機械科「赤木班の課題研究発表会」がありました。

 平成25年度の地域貢献プロジェクトとして、興陽高校では「造園デザイン科とのコラボレーション」としまして、ユニバーサルデザインを取り入れたテーブル&ベンチの製作赤木先生と6人の生徒さん達)をパワーポイントを使ってその製作過程を研究発表したようです。

 その発表の直後別室にて、再度私と澁谷先生のために農業機械科3年生6人が1年間の研究の成果を発表してくれました。
 パソコン画面の前に私は位置し、パワーポイントを使って発表した通りを再現してくれました。 

 左上写真Aは、校舎間の広い中庭にある「80周年記念庭園(くじらの庭)」であります。この写真の左側に今年度造園デザイン科の生徒さん達が作庭したバリアフリー庭園「LINK〜時を刻む〜があります。
 農業機械科造園デザイン科とのコラボレーションとして、造園デザイン科の生徒さん達が作庭したバリアフリー庭園「LINK〜時を刻む〜に、農業機械科の生徒さん達が製作したテーブルといすを置くという計画になっています。

 「80周年記念庭園」としてくじらをデザインしたがありますので、子くじらとしてテーブルもデザインしたようです。

 中央上写真Bで分かりますように、今年度の造園デザイン科の庭園に仮置きされたくじらをデザインしたテーブルと、サポートベンチ背もたれは、鯨が潮をふいた時をイメージして中央から左右に孤が描かれて作られています。
 テーブルのサイズ幅2m×奥行1m7cm×高さ70cm(天板厚33ミリ)です。

 テーブル天板の高さは70cm天板の厚さは約3cmですから、車いす利用者の私にはちょうど良い高さですし、写真で分かりますように脚が入る空間がありますので、大変使い勝手が良いテーブルであると感じました。

 右上写真Cは、興陽高校の正門から真直ぐ道を進むとバリアフリー庭園の案内板がありますが、そのバリアフリー庭園の一つ「実のなる庭の実のなる木」という庭園に置かれてありました農業機械科の生徒さん達が製作したベンチであります。写真では略して「実のなる庭園」となっていました。
 ベンチの背もたれが、大きな二枚の葉になっています。ステンレス作品ではありますが、葉をデザインしたベンチなので、温もりのある木々がある庭園のなかに置いても、目に優しい雰囲気になっていると感じています。

 中央上写真Bのテーブルといすは、家政科実習授業に使用するためにLINK〜時を刻む〜の庭園では、流し台の近くにテーブルといすを置いて作業しやすいようにと考えているようです。

 また、文化祭やイベントにも使用したいと考えているようですので、バリアフリー庭園「LINK〜時を刻む〜だけでなくくじらの庭などでもこのテーブルといすを見ることがあるかもしれません。 

 赤木班のステンレス作品がまた一つ増え、菖蒲(ショウブ)橋、時計台、興陽スカイツリーとともに、テーブルやベンチを見学するために訪問するのが楽しみになりました。 

 デザイン性に大変優れた多目的に使用できる大変素晴らしいユニバーサルデザインテーブルといす(ベンチ)であると感じております。製作してくれて有難うございました。

岡山県立興陽高等学校
  住 所 : 岡山県岡山市南区藤田1500
  電 話 : 086-296-2268(代表)
  URL  : http://www.koyohigh.okayama-c.ed.jp/

 「農業機械科 第3学年 赤木班 6名

 

平成 26年 3月 31日 撮影 

D、菖蒲(ショウブ)橋 E、時計台 F、興陽スカイツリー G、記念撮影
      平成1月24日 撮影

 概要と感想  

 ユニバーサルデザインを取り入れたテーブル&ベンチは、赤木班ステンレス作品の第4弾としての作品ということです。

 左上写真Dは、橋の両側がベンチになっている赤木班ステンレス作品の第1弾「菖蒲(ショウブ)橋」であります。

 中央上写真Eは、バリアフリー庭園案内板近くにある赤木班ステンレス作品の第2弾「時計台」であります。傍にがありまして、三方向から撮影できたのですが、どの方向から見ても大変素晴らしい出来だなと見とれてしまいました。

 中央上写真Fは、くじらの庭のところにある赤木班ステンレス作品の第3弾「興陽スカイツリー」であります。
 随分背の高い塔を作ったものだと思っていましたら、何とスカイツリーという名称ではありませんか。高さにも驚くのですが、細かなパーツを作って組み合わせて行くのも大変な作業だったと思います。スカイツリー先端天望回廊展望デッキ大変美しく整っていますね。

 実際に東京スカイツリー天望回廊まで上がって来ましたので、間近でそのミニチャア版を鑑賞できるとは大変感激しました。

 右上写真Gは、発表再現後に農業機械科の生徒さん達6人と、一列目中央の私、二列目中央に担当の赤木先生そして右端澁谷先生記念撮影をしたものです。

 さて、6人の生徒さん達が、ユニバーサルデザインを取り入れたテーブル&ベンチの製作の様子をパソコンの画面を見ながら説明してくれました。下の写真はパソコン画面を写真撮影したものと、バリアフリー庭園の一つ「実のなる庭の実のなる木」という庭園に置かれてあるベンチの写真であります。

 発表では、研究目的年間計画地域貢献プロジェクトについて・まとめの順序で説明してくれ、並々ならない苦労や工夫した点が分かりやすく伝わってきました。

 まず研究目的では、ユニバーサルデザインを学び、体の不自由な人や子供から老人まで様々な人が、安全・簡単・便利に利用できるものを作ることや、材料加工類型で学んできた知識・技術にプラスして、やったことのないステンレス材料溶接・加工・磨きを学習することが目的のようです。

 年間計画は、6月に造園デザイン科との合同ユニバーサルデザインについて講義を聞く。7月テーブルのデザイン設計(段ボールで実寸大試作)。8月テーブルのフレーム製作(曲げ加工・溶接・磨き)。9月くじらの潮型ベンチの製作(溶接・磨き)。10月テーブルの天板の切出し(整形・穴あけ・磨き)椅子の製作(溶接・磨き)。11月テーブル・椅子の完成設置・文化祭展示・アンケート実施・バリアフリー庭園のベンチ設計。12月バリアフリー庭園のベンチ製作(溶接・磨き)、ベンチ完成・設置。1月ベンチ修正作業、レポート・プレゼン作成、発表練習・発表会。というような流れで計画したようです。

 左下写真Hは、天板をしっかりと支えるために丸パイプで形をつくったの写真であります。この天板の枠をつくる前に、段ボールで実寸のテーブルを試作して天板の高さや足の位置を確認したようです。子くじらの尾ひれにあたる部分はテーブルとして利用するのは難しいが、尾ひれはデザイン上必要なので、危なくないように丸みのあるデザインにしたとのことです。

 「子くじらのテーブル」ですが、くじらの潮をイメージしたサポートベンチを背中の方に置きますので、車いすでは口元の方からアクセスすることになります。
 テーブルの足と足の幅は頭の方からは75cmありますから車いすで十分入れますし、腹の方からは中央の足まで奥行がありますので、頭の方よりよりゆったりした幅となっています。

 中央下写真Iは、天板が広いため水がたまらないように、なめらかな凸面となるように工夫した内容を説明してくれました。

 中央下写真Jは、サポートベンチで、背もたれ部分座の部分くじらが潮をふいた時をイメージして中央から左右に孤を描くように作られています。 中央の接続部分形状も溶接も大変難しかったのではないかと想像しています。

 右下写真Kは、バリアフリー庭園「実のなる庭の実のなる木」という庭園内に置かれてありました背もたれが二枚の葉になっているベンチであります。
 
 ステンレス作品ではありますが、葉をデザインしたベンチなので、温もりのある木々がある庭園のなかに置いても、目に優しい雰囲気になっていると感じています。  

 地域貢献プロジェクトについては、岡山県の取り組みの一環で今年度興陽高校が選ばれ、造園デザイン科とのコラボレーションで、テーブルといすやベンチを製作した。 

 まとめとして、予算内で利用価値のある作品を製作できたこと。ユニバーサルデザインを作品に取り入れたものづくりの大変さがよくわり、利用する方のことを考えたものづくりができて良い経験になったという感想がありました。 

 
 H、天板の枠 I、フレームの工夫 J、くじらの潮 K、葉の背もたれ
 平成1月24日 撮影  平成1月24日 撮影  平成1月24日 撮影  平成1月24日 撮影

平成26年 4月 中旬現在

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