A、全景 | B、休憩所・足洗い場・手洗い場 | C、滝 |
造園デザイン科 3年 14名(平成22年度)
平成13年度「山野草園」では「露地門」や「灯篭」や「水琴窟」、平成14年度「実のなる庭の実のなる木」では「四つ目垣」と「スロープ」、平成15年度の「四季を彩る庭」では「木製の架け橋」や「石垣」や「花時計」、平成16年度の「流れのある庭」では「浅瀬の細長い池と石橋」や「乱杭(木製)のキャスター止め」、平成17年度の「バリアフリー展望台「友集の丘」では「らせん状の石垣」と「長いスロープ」、平成18年度の「和楽の庭」では「石の顔」にこだわり「矢掛の青御影や万成石や豊島の石」などを配置したり「盆栽」置場として整備してきました。
平成19年度の「見本庭園のバリアフリー化」では「露地門」や「建仁寺垣」や「腰高麗袖垣」そして「山目地の工法による石畳のバリアフリー化」をし、平成20年度の「干拓地の生き物を知る」では絶滅危惧種に指定されている魚や植物の保護のために細長い池をつくり、各庭を石橋やインターロッキングブロック舗装で結び一つの庭として高齢者や車いす利用者や子供さん達などが容易に散策できるようにしました。
そして、昨年度の「万葉の小径(まんようのこみち)」では、時という壁(バリア)を超えて万葉人(まんようびと)の心に触れられるような庭園をつくりました。石の桁と板をつかった橋や転落防止の竹の柵、インターロッキングブロック舗装、縁石・乱杭・低い四つ目垣・太い竹の車止めなど、これまでの庭園施工の技術面がまとめて取り入れられています。
そして、万葉集で詠まれた花を庭や植枡に植栽し、生徒さん達や先生方の短歌を紹介しています。
私はたまに京都の観光地(神社や寺)や街を散策することがありますが、古い建物とバリアフリーとの融合の難しさを感じます。ここの「バリアフリー庭園」では当初から和風テイストのうえにバリアフリーやUD(ユニバーサルデザイン)をうまく融合させてきたように思います。京都の観光地(神社や寺)や街とは趣が違いますが、和風テイストとともにここ独自の庭づくりに挑戦して来てほんとに素晴らしい庭(空間)が出来上がっていると感じております。
ここで今一度バリアフリーとUDについて記述しますと、バリアフリーとは、新しくつくる建物や既にあるものに対してのバリアをなくするという物理面だけでなく、情報面や制度面、人の心といった精神面などの様々な障壁を取り除いて、高齢者・障がい者(手足の障がい・視覚障がい・知的障がい・精神的障がい)・乳幼児連れ・外国人などが社会に参加できるようにすることであると思っています。
UDは、新規につくるものについての製品や人をとりまく環境づくりについて7つの原則があり、最初からバリアのない世界を目指していますが、それは主に物理面についての原則であると思っています。
現状ではバリアフリーとUDのどちらの考えが優れているかを問題にするのではなく、「よりよい社会」そして「過ごしやすい町づくり」にしていくためには両方の考え方が必要であると考えております。
それから区画ごとにテーマは違いますが、興陽高校ではすべてバリアフリー庭園と呼んでおります。では、なぜバリアフリー庭園と呼んでいるのでしょうか。それは、物理面でUDを目指した作庭というだけでなく、バリアフリーをより広くとらえて伝統や文化や歴史そして自然保護なども考えてきたからだと思います。
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さて、今年度はバリアフリー庭園を作り始めて10年目となります。その10年目にバリアフリー庭園全体の入口となる庭園をつくることになりました。昨年6月頃に「皆さんがくつろげる広場のようなものをつくりたいと思っています」と尾畑先生からお聞きしました。10月下旬に今年度の庭園の名前は「まくあい(幕間)のこかげ(木陰)」となりましたと尾畑先生からお聞きしました。「まくあいのこかげ」とひらがな表示としますとお聞きしました。情緒豊かで響きがいい庭園の名前に、いったいどのような庭園が出来上がるのだろうかと胸がワクワクしました。
当初この「まくあい(幕間)」の捉え方について、私と澁谷先生とで少し見解が違っていたように感じました。後日のレポートで生徒さん達は、「足を止めて休める所をつくり、バリアフリー庭園全体がわかる様な庭園を計画した」と答えてくれましたが、その思いの通りにこの「まくあいのこかげ」の休憩所やベンチや石垣に腰掛けて休憩しながら他のバリアフリー庭園を眺めて楽しめるようになっております。次の幕の内容を分からないようにするよりも、幕間自体を楽しんでしまおうという考え方のようです。
「こかげ」については、2本の大きな樹木の木陰と、腰をおろして休める休憩所も屋根付きというところから「こかげ」(日陰)のひとつとして考えているようです。
左上写真Aは、校門の方向に撮影した「まくあいのこかげ」の全景であります。
既に植枡につる性植物が植栽されており、やがてフェンスをオレンジ色・むらさき色・白色・ブルーなどの花が色とりどりに蔽うと想像しております。数ヵ月後が楽しみであります。
石垣に腰掛けて、木の周りに植栽された「つばき」を手で触って楽しむこともできるようです。
中央上写真Bは、世界らん展で茶室として展示したものをここでは「休憩所」として設置しています。その右側に「足洗い場」と「手洗い場」があります。バリアフリー庭園全体で屋根付きの休憩所があるのはここの「まくあいのこかげ」だけですし、手や足が洗えるようになっているのもこの「まくあいのこかげ」だけです。
下記の施工の過程で分かりますように、手洗い場は車いす利用者が使いやすいように幅広の流し台に変更されております。この授業では、一度つくって完成したものでさえ、こちらが使い辛いとアドバイスしますと、次の授業には修正されていることが度々あります。その度にバリアフリーに対しての柔軟さと、改修の技術に驚かされましたが、今回も前回の流し台よりも幅広の流し台を使用し、流し台の高さも車いす利用者が使いやすく設置されておりました。
右上写真Cの滝は、平成9年度の卒業生がつくったものですが、今年度の「まくあいのこかげ」に合わせて整備した滝であります。分かりにくいかもしれませんが、水が流れております。それほど勢いがある水の流れではありませんが、心が安らぎ癒されます。
大きな2本の樹木の植栽や休憩所・足洗い場・手洗い場の設置だけでなく、滝によってより癒される庭園「まくあいのこかげ」になったのではないかと感じております。
知り合いの国語の先生に話しましたら、「まくあいのこかげ」とは素敵な名前ですね。「癒される」とか「落ち着いて休める」とかのイメージがありますねと言ってくれましたが、まさにその通りのバリアフリー庭園「まくあいのこかげ」ができあがったと感じております。
高齢者・障がい者・子供さん・健常者など多くの皆さんに、この「まくあいのこかげ」をつくりあげた生徒さん達の純粋な気持ちを、心で触れてみていただきたいと思っております。
どうぞ、お時間がありましたらゆっくりと歩みを進めて、このバリアフリー庭園で気持ちをリフレッシュさせていただきたいと思っております。
実習授業として、これほど素晴らしい癒しの庭園「まくあいのこかげ」をつくりあげてしまう生徒さん達を指導する興陽高校の先生方の奥深い考えや指導力や技術力の高さにあらためて感服しております。
※施工の過程については、ページの一番下からみてください。
◇岡山県立興陽高等学校
住 所 : 岡山県岡山市南区藤田1500
電 話 : 086-296-2268(代表)
URL : http://www.koyohigh.okayama-c.ed.jp/
「造園デザイン科 第3学年 庭園施工管理類型 14名」
(造園デザイン科 科長 尾畑篤司先生、穐田 守先生、田中賢造先生、太田貴久先生)
内閣府特命担当大臣表彰優良賞受賞(平成19年度バリアフリー化推進功労者表彰) 受賞者一覧
◇山陽学園大学
住 所 : 岡山市中区平井一丁目−14−1
電 話 : 086-272-6254(代表)
FAX : 086-273-3226
URL : http://www.sguc.ac.jp/
総合人間学部 生活心理学科
澁谷俊彦教授 (倉敷市伝統的建造物群等保存審議会会長、岡山県環境審議会委員)
D、屋根付の休憩所 | E、屋根付の休憩所 | F、柱(竹)と壁(網代) | G、休憩所の裏側 |
左上写真Dは、校門の方向に撮影した「休憩所」の全景で、中央上写真Eは校門の方向から撮影した「休憩所」であります。右上写真Gと両方向からの写真から分かりますように、窓を除きますとほぼシンメトリーとなっているのが分かると思います。
生徒さんの計測によりますと、休憩所のサイズは、幅190p×奥行140p×床の高さ(インターロッキングブロックから床までの高さ)54p、屋根の高さ305p(最高)。
中央上写真Fで分かりますように、竹の柱はガスバーナーで油抜きした太いモウソウダケを使用し、壁は網代の「石畳編」となっていました。
左下写真Hは、生徒さんが休憩所や靴脱ぎ石のサイズを計測しているところであります。靴脱ぎ石のサイズは幅214p×奥行き30p×高さ17pです。
中央下写真Iの植枡の土の高さは21pで、つる性植物のつりがねかづら(オレンジの花)、さっこうふじ(むらさきの花)、クレマチス(白色の花)、とけいそう(ブルーの花)などが植栽されています。おたふく南天や竜のヒゲも植栽されていました。
中央下写真Iの石垣の高さは45pで、樹木のまわりの土に大きさを制限しやすく剪定(せんてい)しやすい寒つばき・クリスマスローズ・ツツジなどが植栽されています。石垣の上に腰掛けて「花びら」を指で触ったり香りを楽しむことができるようです。
中央下写真Jのように、本日は消火器置場に竹のカバーがされていました。周りの景色にも気遣ったようです。
右下写真Kは、校門の方向から撮影した四つ目垣の境界と「まくあいのこかげ」の全景であります。
H、計測 | I、植枡に植栽 | J、消火器置場の竹カバー | K、境界と庭園の全景 |
L、休憩所の設置と太田先生 | M、穐田先生と田中先生 | N、棟上と穐田先生 | O、運搬中の土台 |
下記は、設計と施工について、平成22年12月2日以降に各代表の生徒さんが庭園施工管理類型の生徒さん達の意見をまとめてくれたものです。(1月24日現在)
◇設計責任代表者(渡辺 春香) | ◇施工責任代表者(松下 一) |
1、「まくあい」という言葉の意味を、どのようなかたちで庭園にいか ・10年間つくられた庭をまわる時に、休憩できる場所、少し足を止 2、「こかげ」という言葉の意味を、どのようなかたちで庭園にいかそ ・やがて木陰をつくれるような樹木を植え、ほんとうのこかげをつく 3、丸太のベンチと石のベンチの高さが違うのはなぜか。 ・子どもや大人、お年寄りなどいろんな人がちょっと腰をおろせれば 4、世界らん展の展示物をこの庭園に使用した理由。この庭園で気 ・世界らん展の出品作品は、クラス全員がかかわったものなので、 5、12月2日現在、流し台が車いすでは使用し辛いと感じましたが、 ・手洗い場の支柱と支柱の幅を広くし、流し台の高さを低く変更し 6、バリアフリー庭園のひとつとしてUDやバリアフリーをどのように ・先輩達の良いところを取り入れるようにした。 |
1、バリアフリ−庭園全体としての入口の庭園として、どのような工夫を したか。 ・バリアフリー庭園全体の入口にあたるところなので第一印象を意識 2、「まくあいのこかげ」に入口をつくりましたか。工夫した点は何ですか。 ・庭全体が入口のような感じにした。 3、和楽との境のフェンスは、どのように考え処理しましたか。 ・フェンスをおおうようにつる性植物をはわせたイラストを書いてくれま 4、「万葉の小径」へのスロープで工夫した点。 ・車イスでもきつくないゆるやかな勾配にしました。 5、いすやベンチなどの使用対象者(丸太と長いすと石垣)と材質。 ・大人から子どもや高齢者そして障がい者の方でも使用できるように 6、洗面台のサイズとカランの高さと支柱について。 ・石の支柱(幅18p×奥行22p×高さ92p)、流し台は幅90p× 7、世界らん展の展示物設置について、工夫した点は何か。 ・奥に「和楽の庭」があるので、屋根を板でつくり防腐剤を塗った。 8、庭園施工管理類型14名のうち7名が女生徒ですが、作業の分担と ・重量物の移動などは男子中心で、測量・位置出しなどは女子中心 |
左上写真Lは、世界らん展の展示物だった「茶室」ですが、太田先生の指導のもとで「休憩所」として設置しているところです。中央上写真Mは、穐田先生と田中先生も「休憩所」の設置に立ち会っています。
中央上写真Nは、休憩所の棟上をする生徒さん達とそれを指導する穐田先生です。
右上写真Oは、休憩所の土台を運んでいる女生徒さん達であります。
左下写真Pと中央下写真Qは、作業場で女生徒さん達が木製の土台部分に防腐剤を塗っているところであります。
中央下写真Rは、左下写真AAの支柱に四つ目垣をつくったもので境界がはっきりとしました。
右下写真Sは、尾畑先生が四つ目垣と滝の間にバリアフリー庭園全体の案内板を作る予定ですと説明してくれているところです。
休憩所の設置によって、「まくあいのこかげ」の完成に近付いてきたと感じております。
P、土台に防腐剤 | Q、木製の土台と屋根 | R、四つ目垣 | S、尾畑先生 |
T、全景と消火器置場 | U、植枡と化粧石材 | V、ベンチと植枡 | W、2011.L-3 |
左上写真Tは、校門の方向に撮影した「まくあいのこかげ」の全景と消火器置場であります。
中央上写真Uは、フェンス下のブロックに化粧石材を貼り、植枡を設置してここにつる性植物のつりがねかづら(オレンジの花)、さっこうふじ(むらさきの花)、クレマチス(白色の花)、とけいそう(ブルーの花)などを植栽し、フェンスに這わせてやがて色とりどりの花でフェンスを覆う予定にしているらしい。
中央上写真Vは、フェンス前の植枡とベンチの様子であります。
右上写真Wで分かるように、ベンチ前に作庭した年度とクラス「2010 Lー3」の数字とローマ字の表示が分かると思います。
左下写真Xで分かりますように、手洗い場を新たに設置しなおしました。支柱の位置を広げ流し台も幅広で浅い5pのものに交換しました。流し台のサイズは幅90p×奥行47pで車いす利用者の脚が入る空間として、ブロックから流し台の下端までは高さ67pとなっていました。
中央下写真Yのように、カランは中央に位置しレバーの長さが16.5pありますので左右どちらからでも使用可能だと思います。
中央下写真Zは、インターロッキングブロックのデザインで、斜めに色違いのブロックが入っているのが分かります。よく見ると四角のデザインも入っているのが分かります。
右下写真AAは四つ目垣の支柱ですが、今年度の庭園は側溝辺りまでのようです。
X、変更された流し台 | Y、レバーの長さ16.5p | Z、デザイン | AA、四つ目垣の支柱 |
BB、滝 | CC、御影石とスロープ | DD、手洗い場 | EE、コーナーにカラン |
左上写真BBの滝は、平成9年度の卒業生がつくったものですが、今年度の庭に合わせて水の流れる距離を短くし滝のかたちを今年度の生徒さん達が整備した滝であります。本日、水は流れていませんでした。
中央上写真CCは、「万葉の小径」から今年度の庭園を撮影したスロープですが、手前の御影石のサイズは60p×30pで7枚敷いてあります。
中央上写真DDの手洗い場は、幅70p×奥行約50p×高さ88.5p(流し台の上端)で流し台下の車いす利用者の脚が入るスペースの高さは73.5pでありました。御影石の支柱と支柱との幅がやや狭く、上端の高さも高く車いす利用者には利用しやすいものではなかった。
中央下写真GGは穐田先生が車いすを手洗い場に入れて確認しているところであります。
右上写真EEは、手洗い場の流し台のコーナーにカランが設置されていました。
左下写真FFは、手洗い場の隣にあります足の洗い場であります。子供の足が傷つかないように石を研磨するようにと澁谷先生からアドバイスがありました。
中央下写真HHは、澁谷先生が今年度の庭から奥のバリアフリー庭園を眺めているところです。フェンスの下がブロックになっているのが分かると思います。
右下写真IIは、穐田先生(左)と澁谷先生(右)が今年度のバリアフリー庭園「まくあいのこかげ」について今後のことについて話しているところであります。
インターロッキングブロック舗装されていて車いすでとても走行しやすくなっており、勾配も緩やかで全体的にスペースにも余裕がありますが、手洗い場の支柱と支柱との幅が狭いことが気になります。
また、バリアフリー庭園全体の入口として訪れた皆さんを惹きつけるには少し物足りなさを感じましたが、これから世界らん展でつかった屋根付きの展示物を休憩所として設置したり、フェンスにつる性の植物をはわせるということなので、次回の訪問が楽しみになってきます。
FF、足の洗い場 | GG、穐田先生と手前太田先生 | HH、澁谷先生 | II,穐田先生と澁谷先生 |
JJ、全景 | KK、校門方向からの全景 | LL、滝とスロープ | MM、スロープ |
6月1日に訪問した時に、今年度は暫定として仮の名を「出会いの場」というテーマの庭園とお聞きしていましたが、正式に「まくあい(幕間)のこかげ(木陰)」となりましたと尾畑先生からお聞きしました。ひらがな表示で「まくあいのこかげ」と庭園の名前が決まりました。
6月1日撮影の「資材置場」にある大きな石や自然木(自然に生えたもので切断し除去)の移動は、2トン以上の大きな石はクレーン車で、小さな石はフォークリフトやシャベルローダーで別の資材置場に運んだようです。勿論、この庭に使用している石もあるようです。
左上写真JJは、校門の方向に撮影した「まくあいのこかげ」の全景であります。既にインターロッキングブロック舗装されていました。幅3mのスペースで、勾配は「和楽の庭」側が3p上がっているようです。
「しまさるすべり(島百日紅:高さ約10m)」ミソハギ科と「シマトネリコ」という大きな2本の木が植栽されていて、この大きな木で木陰をつくりたいようです。
そして、日陰をつくるために屋根つきの休憩所をつくる予定だと聞いたのですが、本日はまだ設置されていませんでした。
中央上写真KKは、校門の方向から撮影した「まくあいのこかげ」の全景であります。2本の木の周りに石積みされているのが分かりますが、腰掛けて一休みできるようになっています。
中央上写真KKで分かりますように、石垣の手前に「手洗い場」と子供さんのための「足洗い場」がありました。
中央上写真LLは、滝と「万葉の小径」へのスロープの位置であります。
右上写真MMと中央下写真OOは、昨年度の「万葉の小径」から今年度の庭園への通路で、スロープの勾配は1/15以下でインターロッキングブロック舗装された通路幅の一番狭いところは145pになっています。車いすと歩行者がすれちがうことができると思います。車いすのキャスター止めの役目を果たす縁石の最低高さは11pであります。
右上写真MMの腰掛けられる丸太の高さは45pで、腐らないためにゲタを履かせているのが写真で分かると思います。
毎年恒例の農産物販売を校内で催すのですが、その時バリアフリー庭園を見学に来られた方々にアンケートをとりましたところ、小学生の低学年未満の小さいお子さんにも座れるようなベンチが欲しいという要望にこたえて、右下写真PPのように高さ35pのベンチ(幅150×奥行40×高さ35×2台)を設置しておりました。
右下写真PPのベンチとフェンスまでの距離は80cmありました。
NN、手洗い場と足洗い場 | OO、縁石 | PP、ベンチ |
QQ、資材置場(全景) | RR、資材置場(石) | SS、資材置場(自然木) | TT、入口と丸太のイス |
今年度は、興陽高校の正門を入って道をそのまま進み、左上写真QQで分かりますように道沿いの資材置場を整備する予定のようです。この場所はバリアフリー庭園全体の最初の庭園となります。
まずは、資材置場にある中央上写真RRの大きな石や中央上写真SSの自然木の移動から始めなければならないようです。
右上写真TTのように、今年度の庭園から、昨年度の「万葉の小径」に通じる道をつくるという計画は昨年度からあったようです。ですから、昨年度の「万葉の小径」から今年度の庭園への通路部分だけは石や木を取り除き左下写真UUのように地面は均されていました。
右上写真TTは「万葉の小径」側から道に向かって写したものですが、手前に丸太のいすが置いてありました。左下写真UUも、「万葉の小径」側から道に向かって写したもので、ここに勾配の緩やかなスロープをつくる予定のようです。右側は滝の裏側であります。
今年度の特徴として、「手洗い場」や「ベンチ」を設けて、皆さんが休憩できる庭にしたいということです。中央下写真VVで分かりますように、「和楽の庭」の裏に排水のための集水枡を設置してありました。中央下写真WWは、「万葉の小径」に入っていく入口部分と滝の前辺りにある集水枡であります。集水枡に集められた雨水を、右下写真XXの側溝にそして用水路へ流すようにするようです。
大きな木を植栽し木陰をつくり、ベンチや手洗い場を設置し皆さんがくつろげる広場にしたいと聞きました。バリアフリー庭園全体の最初の入口となる庭園を最後につくるのですから、考え方によっては大変難しい庭園ではないかと思っています。
UU、入口と滝の裏側 | VV、集水枡 | WW、入口と集水枡 | XX、側溝 |
平成23年 3月 下旬現在
平成15年度「四季を彩る庭」 / 平成16年度「流れのある庭」 / 平成17年度の「バリアフリー展望台「友集の丘(ゆうしゅうのおか)」
平成18年度「和楽(からく)の庭」 / 平成19年度「見本庭園のバリアフリー化」 / 平成20年度「干拓地の生き物を知る」
平成21年度「万葉の小径(まんようのこみち)」 / 平成22年度「まくあいのこかげ」 / 平成23年度「50周年記念庭園のバリアフリー化」
平成24年度「50周年記念庭園のバリアフリー化パート2」 / 平成25年度「LINK〜時を刻む〜」 / 平成26年度「香楽園(こうらくえん)」
平成27年度「鳥達の集う滝」と「クジラの庭のスロープ」 / 平成28年度「記念庭園のバリアフリー化」 / 平成29年度「記念庭園のバリアフリー化」のパート2
平成30年度「記念庭園のバリアフリー化パート3」 / 令和元年度「記念庭園のバリアフリー化パート4」と記念碑周りの整備