町角のバリアフリーの意識

 

36) 興陽高校「記念庭園のバリアフリー化」

「見本庭園の東西の門の作成」「クジラの庭のスロープの改修」 

平成 29年 1月 24日 撮影 

A、記念庭園入り口からのスロープ B、スロープ途中の踊り場スペース C、あずまや前のスロープ 
平成29年 3月23日 撮影     

造園デザイン科 庭園施工管理類型 3年 18名(平成28年度)

 概要と感想

 庭園の紹介に入る前に、まずバリアフリーUD(ユニバーサルデザイン)について簡単に記述しますと、バリアフリーとはすでにあるものや人に対してのバリアをなくするということで、建物や設備などの物理面だけでなく、情報面(手話・音声・字幕・映像など)や制度面(バリアフリー新法など)、人の心といった精神面などの様々な障壁を取り除いて高齢者障がい者(肢体の障がい・視覚障がい・知的障がい・精神的障がいなど)・子供外国人・その他困っている人などが、容易に移動できるとか社会に参加できるようにすることであると思っています。

 UDは新規につくるものについての製品人をとりまく環境づくりについて7つの原則(公平性・柔軟性・単純性と直感性・認知性・安全性・効率的で疲れない・利用のためのサイズと空間があること)があり、最初からバリアのない世界を目指していますが、それは主に物理面についての原則であると考えています。
 岡山県では、人に対して「思いやり」をもつことが大切であるということも合わせてUDを推進しております。

 現状ではバリアフリーとUDのどちらの考えが優れているかを問題にするのではなく、「よりよい社会」そして「過ごしやすい町づくり」にしていくためには両方の考え方が必要であると考えています。

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 公共性の高い庭園については、多くの利用者が使用しやすいかどうかで評価される場合が多いと思いますが、このページでは、多くの人が使用しやすい庭園をつくる過程とともに、興陽高校造園デザイン科生徒さん達の技術力と感性の素晴らしさをお知らせしたいと思っています。

 また、興陽高校造園デザイン科 庭園施工管理類型 3年の生徒さん達の「バリアフリー庭園」の作庭において、授業のなかで生徒さん達苦労したこと工夫したことなどを記述したいと思っています。  

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 さて、昨年6月の第1回目の授業参加の日に、興陽高校を訪問した時に、今年度の施工予定地は三ヶ所と聞きました。一ヶ所目の「見本庭園の東西の門」は既に作成されて設置されておりました。
 他の地域から庭(家屋とともに)を興陽高校の敷地内に移築したものを「見本庭園」と呼んでいますが、その東西の門が傷んで来たので新しく門を作成したようです。

 二ヶ所目は昨年度の先輩方が施工したクジラの庭の頭側のスロープの改修です。スロープのブロックとモルタルの通路との境に段差が出来ていましたので、車いすでスロープを下る時に危険ですので整備して欲しいと、昨年度の第三回目の授業参加の日に言いました。
 昨年度の実習授業では、時間がなく作業ができないということで、今年度の生徒さん達がスロープを改修してくれました。

 この二ヶ所につきましては、6月に訪問した際には既に出来上がっていましたので、門の作成及びスロープの改修過程を記述することができません以前の門及びスロープ改修前の写真とともに出来上がりの感想を、このページの下のほうに書いてあります

 三ヶ所目は、興陽高校の校門近くにあります「同窓会記念館」に隣接する「記念庭園」のバリアフリー化」ということで、「記念庭園」内の築山(つきやま)(庭園内で土が盛り上がったところ)にあります「あずまや」まで車いすで上がれるようにスロープを作ってくれました。

 実は来年度は、興陽高校の百周年にあたり、同窓会記念館の改修とともに記念庭園もバリアフリー化することになったようです。同窓会記念館にはお茶室があるようですが、記念庭園内の池周辺の風景を観ながらお茶を頂くのでしょうか。
 車いすなので、お茶室に入ることはないでしょうが、茶道部の生徒さん達にお茶室からの記念庭園の眺めの感想を聞きたいものです。

 昨年の6月の訪問時に、興陽館の隣にスロープの入り口を設けたいと、尾畑先生から聞き現場にやって来ました。記念庭園のスロープの入り口になるところから、車いすの目線の高さでは築山にあります「あずまや」がよく見えませんでした。
 目の前には道らしきものはなく、ただ土が盛り上がっているだけで、途中に樹木もあり、築山にある「あずまや」まで、はたしてどのようにしたら行くことができるのだろうかと、6月に撮影した下写真FFを記念庭園入り口で目視して唖然としたものです。

 写真FFでは入り口から灯篭まで随分距離があるように見えますが、土が盛り上がっているほうが気がかりで、目視では入り口から灯篭までそれほど距離があるように思えず、スロープをつくるにしても勾配がどのくらいになるか心配でありました。

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 左写真Aは、3月23日に撮影した記念庭園入り口からのスロープですが、「固まる土」の奥にインターロッキングブロックが見えております。左側に石灯篭の笠(中央下Jの石灯篭のイラストを参考)が見えております。1月24日の第三回目の授業で、澁谷先生が曲がり角でふち石が飛び出ているように見え危険なので、曲がり角ということを分かり易くするための工夫をしてはどうかというアドバイスに応えてくれ、石灯篭の笠を設置したのだと思います。

 左側道の先に池があるのですが、車いす利用者視覚障がい者が歩みを進めて池に転落しないように、現在は孟宗竹を置いて通行できないようにしてありました。
 それから、右側に竹垣があり下部には太い孟宗竹を設置してキャスター止めにしていました。

 中央上写真Bは、スロープ途中の踊り場スペースですが、転落防止として竹垣を設置し、車いす同士がすれ違うことができるスペースがあるようです。

 右上写真Cは、あずまや前のスロープですが、インターロッキングブロックが整備され、あずまや内の長いすに置かれていた荷物も移動し、人が休憩できるようなスペースとなっていました。 

 せっかく「あずまや」という屋根付きの建物があるのですから、この「あずまや」で生徒さん達が気軽に弁当を食べたり休憩できるような場所にし、もっと「あずまや」を活用してもらうためにもスロープをつくりたい。と尾畑先生からお聞きしました。
 生徒さん達は、ただ休憩できる場所というだけでなく、同窓会記念館のお茶室への行き帰りに、この「あずまや」に立ち寄ることを意識しているのでしょうか、「心を落ちつけ静かに庭をみて楽しむ場所」という言葉がかえってきました。

 生徒さん達の「あずまや」についての考え方として、「雨が降った時は、雨の音を聞きながら庭をみるところ」とか「木々の振れの音を楽しめるところ」というのがありました。空や木々を見上げながら、そっと耳を澄ましてみるとがふいて「木の葉と木の葉」や「木の葉と小枝」などの擦れる音が聞こえてくるようです。

 生徒さんの一人に、なぜこのようなことが考えられるのですかと聞きましたら、施工作業中に雨が降ってきて「あずまや」で雨宿りしていた時に、雨の音を聞きながらをみるところだと思ったと答えてくれました。

 施工作業のほんのちょっとした合間雨宿りに、目で見える範囲のことだけでなく、「心の持ちよう」や「自然の音」など趣や風情を感じることができるとは、なんと素晴らしい感性ではないでしょうか。

 この授業参加で好きなことの一つに、生徒さん達が実際の施工で、土や植物や石の質感等にふれ自然に関わるということで、人の感性を豊かにしてくれるのではないかと思えるところです。

 スロープの勾配は、車いすを自分で操作して上がれる勾配として1/15以下を、このバリアフリー庭園では目指していますが、生徒さん達の測定では目標を達成しているようです。
 入り口からの通路幅は車いすと人とがすれ違える幅になっており、途中の2ヶ所の踊り場スペースで、車いすと車いすとがすれ違うことができるようです。転落防止の竹垣キャスター(車いすの前輪)止めとして太い孟宗竹を設置していました。

 同窓会記念館のお茶室を意識していますので、心を落ちつけ静かに庭のなかで楽しんでもらえるようなスロープにするために、インターロッキングブロックの色合いは渋めにし「固まる土」などを採用しています。

 それから、このスロープの入り口から「あずまや」まで上がる過程につきましても、皆さんが池周辺大きな灯篭小さな滝など風景を楽しめるように、見え易くするために石や樹木を移動したようです。ここは機械を入れて作業できない場所ですので、すべて手作業となりました。
 素敵なスロープにするために、生徒さん達がどれほど苦労や工夫や時間を費やしたか、下記の設計及び施工の質問表を見ると分かっていただけるのではないかと思っております。

 左上写真Aを、入り口からスロープを観ますと、先ず左側の木々の先に何があるのだろうかと、この通路(スロープ)を進んで行きたい気がしてきます
 このスロープは、築山(つきやま)(庭園内で土が盛り上がったところ)にあります「あずまや」まで何度も足を運んでもらい記念庭園を観て楽しんでもらうためにつくったわけですが、私の予想をはるかに超えた大変素晴らしい出来栄えだと感じております。

 このページで、生徒さん達の技術力と熱い思いと感性作庭の過程で知っていただけたら幸いであります。

 どうぞ、お時間がありましたら、今年度(平成28年度)「記念庭園のバリアフリー化」でつくったスロープや、案内板が設置された10のバリアフリー庭園そして「50周年記念庭園のバリアフリー化パート1」・「50周年記念庭園のバリアフリー化パート2」と香楽園(こうらくえん)そして「クジラの庭」の奥にありますLINK〜時を刻む〜、体育館前にあります「鳥達の集う滝」などで、ゆっくりと歩みを進めて気持ちをリフレッシュさせていただきたいと思っております。

 毎年度ながら、庭園の設計・施工実習授業で、これほど素晴らしい庭園をつくりあげてしまう生徒さん達を指導する興陽高校の先生方奥深い考え(生徒さん達の自由な発想の重視など)や指導力や技術力の高さにあらためて感服致しております。

 ※施工の過程については、ページの一番下からみてください。 

岡山県立興陽高等学校
  住 所 : 岡山県岡山市南区藤田1500
  電 話 : 086-296-2268(代表)
  URL  : http://www.koyohigh.okayama-c.ed.jp/

 「造園デザイン科 第3学年 庭園施工管理類型 18名(女子生徒 4名)

 (造園デザイン科 科長 尾畑篤司先生、藤本泰史先生、越智浩邦先生、田中賢造先生、太田貴久先生、スペシャリスト:佐伯義也先生)   

 内閣府特命担当大臣表彰優良賞受賞(平成19年度バリアフリー化推進功労者表彰) 受賞者一覧

山陽学園大学
  住 所 : 岡山市中区平井一丁目−14−1
  電 話 : 086-272-6254(代表)
  FAX  : 086-273-3226
  URL  : http://www.sguc.ac.jp/

  総合人間学部 生活心理学科
 
  澁谷俊彦教授 (倉敷市伝統的建造物群等保存審議会会長、岡山県環境審議会委員)

 

平成 29年 1月 24日 撮影

D、あずまやから撮影 E、途中の踊り場スペース F、固まる土辺りからの景色   G、記念庭園内の池
 
H、全体のイラスト 

 

概要と感想

 本日は、今年度三回目の授業参加でありますが、明日から3年最後のテスト期間に入るということで、実質的に本日が最後の実習授業となるようです。

 今年度は、「見本庭園の東西の門の作成」「クジラの庭のスロープの改修」、そして「記念庭園のバリアフリー化」でスロープをつくりました。

 6月の第一回目の授業参加までに、既に「見本庭園の東西の門の作成」「クジラの庭のスロープの改修」は終えておりますので、今年度は「記念庭園のバリアフリー化」でスロープの施工に大半の時間を要したように思います。

 左上写真Dは、「あずまや」から撮影したスロープであります。「あずまや」の入り口近くの施工が、1月17日には右下写真Pのようにまだ施工中でしたが、本日はインターロッキングブロックが綺麗に仕上がっておりました

 中央上写真Eは、「あずまや」に近い方のスロープ途中の踊り場スペースですが、ここからの松林の景色も妙に落ち着くものです。何よりも長いスロープの途中に、車いすで留まることができゆっくりと周囲を見渡すことができるというのは、気持ちに風景を楽しむ余裕ができます。

 中央上写真Fは、「固まる土」の場所からの景色です。ここは同窓会記念館隣接する記念庭園ですが、同窓会記念館に茶室があるせいでしょうが、庭園内池を中心として大きな灯篭や松林や大きな質の良い石があったりととても手の込んだつくりの庭になっていると感じます。

 右上写真Gは、記念庭園内にある大きな池でありますが、車いす利用者は「固まる土」の場所のあたりから眺められます。入り口から築山にあります「あずまや」まで風情のある景色を楽しめるようになっているようです。

 上イラストのHは、生徒さん達が描いてくれた今年度の記念庭園内のスロープ周辺の計画図であります。インターロッキングブロックの模様とか、右側に設置された竹垣の様子とか、「固まる土」の部分や植栽されている樹木の種類を詳細に描いてくれました。とても分かり易いイラストであります。感謝。

 上イラストHで分かりますように、入り口から「あずまや」までのスロープの途中に、二ヶ所の踊り場スペースを設けてあります。入り口から一ヶ所目は、転落防止に竹垣があるヶ所二ヶ所目は「あずまや」の手前ですが、どちらもインターロッキングブロック(平)という表示があります。

 左下写真Iは、傾いていた大きな石灯篭を元に修正したものです。

 中央下写真Jは、大きな石灯篭のイラストと個別の石の重さであります。機械が入って行けない場所なので、傾いた石の一つ一つを二又(二脚)とチェーンブロックで取り外し、修正をしてまた元の石灯篭に設置するために、どれぐらいの時間を要したのだろうか。一つの石を動かすのに一時間で数cmということもあったそうな。大変お疲れ様でした。

 中央下写真Kは、スロープ途中の二ヶ所目の踊り場スペースから見える「小さな滝」であります。車いす利用者の目線の高さからでも「小さな滝」が見え易い位置にあります。水が流れてくるのを見るのが楽しみであります。

 右下写真Lは、スロープの途中の竹垣がある踊り場スペースで、尾畑先生(左側)と太田先生(右側)が打ち合わせをしているところであります。

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 下記は、設計と施工について、平成29年1月17日以降に各代表の生徒さんが、庭園施工管理類型生徒さん達の意見をまとめてくれたものです。

  大きな石灯篭を組み直すのに二又(にまた)を使ったり、「固まる土」を舗装材料として使ったりと、今まで使っていなかった昔の作業方法や材料に挑戦したようです。石積みの石選び石ノミではつって形を整えるところ石積みの天端を出すことなど、作庭過程で難しかったところや工夫したところを書いてくれました。

 石積みインターロッキングブロック施工とも手直しの連続で大変だったが達成感があるとも感想を述べてくれました。

 今年度の生徒さん達は、特に設計や作業の内容や気持ちについて、詳細に教えて下さったり、上イラストHのスロープ全体を描いてくれて、生徒さん達のこのスロープに対する思い入れを感じる事が出来ます。 

(平成29年1月24日 現在) 

設計責任代表者(川口 俊樹) 施工責任代表者(井上 竜)
 今年度の生徒さん達はどのような思いで、見本庭園の門の作成やあずまや
までのスロープやクジラの庭のスロープを計画されたのでしょうか。設計に対
する考え
を記入してください。

@見本庭園の東西の門について、周りの景観に合った門が作成できたでしょうか。

東門周りの景観に溶け込み、落ち着いた感じに出来た
・門につづく塀もできたら良かったと思う。(後輩たちに・・・)

西門ボロボロで壊れそうだった門が迫力のあるものになった
・門から庭に入ると景色がかわった。周りの景観にあっていると思う。

Aクジラの庭のスロープについて、スロープ下の左右の通路との段差の
納まりとスロープの勾配
をどのように計画しましたか。
 スロープの勾配やスロープ周辺に何か特徴がありましたら教えてください。

勾配を1:15になるようにスロープをつくる。
・インターロッキングブロックの模様は先輩達が考えたのを用いた。
・設置してある排水溝に水が流れるように考えた。(表面排水
三種類の形のインターロッキングブロックをうまく接するように考えた。
小さな段差が出来ないようにした。


B「あずまや」までの道程をメインとした庭について、まず「あずまや」をどの
ようにとらえていますか。庭の名前も教えてください。


「あずまや」について

休憩する所。景観を楽しみながらお茶なども楽しめるところ。

・ゆっくりして庭をみる場所。のんびりできる場所。くつろげる場所。

雨が降った時は、雨の音を聞きながら庭をみるところ

・休憩と観賞する場。この場所に何度も来て庭をみたいと思える庭になってほしい。

・静かで安心できる場所。癒しの場。なごめる場所

心を落ちつけ静かに庭をみて楽しむ場所

・心が落ちつき、ゆっくり座っていれるところ。木々の振れの音を楽しめるところ


C「あずまや」までのスロープを、どのように計画しましたか。庭全体のイラスト
を描いて、石の配置や石の特徴、通路からの景観、植栽している樹木や草花
その他を説明してください。

○上写真Hは、記念庭園をバリアフリー化した全体のイラストであります。

・勾配を1:15になる様にするため直線にするのではなく、2ヶ所のおどり場を設け
通路を長くした。
・おどり場は車イスが回りやすいようにした。
・車イスのキャスター止め(転落防止)に竹垣(孟宗竹)を用いた。
・スロープの幅は1m以上にした。
・インターロッキングブロックのは落ちついたものにし、模様も落ちついたもの
にした。


D今年度の生徒さんらしさを出したヶ所がありましたら記入してください。小さな
ことでもいいですから、庭園に対する思い入れを書いてください。
い。

・しっかりと時間をかけてつくりあげた。
・普段人が入らない場所だったけど、みんなが休める場になったらいいなぁと思う。
・インターロッキングブロックの模様と色を先輩たちがやっていないものにした。
・石灯ろうを組み直すのに二又(にまた)を使った。(昔の作業方法
・先輩たちが使っていない’’固まる土’’を舗装材料として使った。
・竹垣の制作をした”おとこ結び”を出来るようになった。
・みんなにこの通路(園路)を使ってもらいたい。
・インターロッキングブロックの模様を”ボーダーライン”にした。
石積みやインターロッキングの施工などいい経験ができた。

 今年度の生徒さん達はどのような思いで、「見本庭園の門」の作成や「あずまや」
までのスロープや「クジラの庭のスロープ」を施工されたのでしょうか。施工に関して
難しかった点や工夫した点
を教えてください。
@見本庭園の東西の門について、門の屋根の全ての材質と、幅と出入口の段差
工夫した点について教えてください。
東門:幅 ( 800mm          ) 段差 (内35mm 外105mm 大外280mm )
西門:幅 ( 828mm          ) 段差 ( 0〜1mm          )

○2つの門とも、まわりの景観をこわさないように考えた
西門:造園業者からもらった門。瓦ぶきの門木材部はヒノキだと思います。
瓦をふいていくのがたいへんでした。(位置など)
・見本庭園側と和楽の庭側の段差をなくした

東門屋根部分は、杉板、杉皮、竹材で施工
杉皮が風などで飛んでいかないようにした

Aクジラの庭のスロープについて、通路幅と勾配を教えてください。段差の解消等
苦労・工夫した点を教えてください。
スロープ:幅( 1970mm         ) 勾配 ( 1:15.24         )
1列1列を水糸を張り、施工していくのがたいへんでした。
・アスファルトとインターロッキングブロックの継ぎ目の施工が難しかった
排水(表面排水)の勾配を工夫した。
形のちがう3種類のブロックで施工しなくてはいけなかったので大変だった。
スロープ面の凹凸をなくすのに時間がかかった
勾配を1:15に近づけるために苦労した。

B「あずまや」までの道程をメインとした庭について、整地や石の移動作業等で苦労
した点
、難しかったところを詳細に教えてください。

通路(スロープ)の予定場所にクロマツがあったので移植した。
石積みは根がしっかりと土の中にはいっていないといけなかったので苦労した。
土留めなどの石積みに時間がかかり大変だった。
粘土質の土が多くて苦労した。土すきが思ったようにいかなかった。
・土をすき取る時、地が固く苦労した。石の運搬も苦労した。
・勾配をとりながらの砂の整地が大変だった。
・他の工事(同窓会記念館)とも重なり、材料の運搬も大変だった。(体力と時間
・石積みの裏詰めのモルタルを練るのが大変だった。
石積みの天端(てんば)と面(つら)をだすのに苦労した。
通路の予定地から大きな石がでてきて取りだすのが大変だった。
・入口のところに設置されていた境界ブロック(60kg)の移動が大変だった。
石積みの石を選んでいくのが大変だった。(大きな石と小さな石)
・インターロッキングブロックの施工面の凸凹をなくすのに時間がかかった。

C「あずまや」までのスロープについて、各スロープの幅・長さと勾配と途中の平らな
スペースのサイズを教えてください。スロープからの景観で工夫した点も教えてくださ
い。
スロープ上:幅 ( 1300mm ) 長さ ( 4890mm )勾配 ( 1:15. 9    )
スロープ中:幅 ( 1700mm ) 長さ ( 2260mm )勾配 ( 1:15. 77   )
スロープ下:幅 ( 1459mm ) 長さ ( 5520mm )勾配 ( 1:14. 81   )
平らなスペースのサイズ上: ( 1800mm × 約1380mm           )
平らなスペースのサイズ下: ( 1950mm × 2430mm             )
大きな石のサイズと重さ  約 (宝珠0.1t /笠1.8t /火袋0.6t /竿1.7t =4.2t 

・スロープを利用している時、途中景観も楽しめる様に踊り場なども設けた。
・転落防止のため竹垣なども設けた。(安全面
通路(スロープ)を設けるための景観上のことでマツを1本移植した。
あずまやから全体を見られるように考えた
踊り場から池が見えるようにした

D小さなことでもいいですから、作庭過程で難しかったところや工夫したところを書いて
ください。

・あずまやからの景色を考えてみた。 ・石積みの石を選ぶのに苦労した
インターロッキングブロックの施工では何度もやり直しした
石積みの天端をだしていくところに苦労した。 ・初めてだったけどよく積めたと思う。
斜めに石積みをしていくところが難しかった。 ・大きな石を水平に据えるのが大変だった。
・勾配をとっていくため、通路を曲げていったところも苦労した。
・少しづつ計画を変えていかなくてはいけなかったところもあった。
竹垣の胴縁(どうぶち)をつけていくところが苦労した。
大きな石の移動にチェーンブロックを使用した。時間もかかり大変だった。
・石積みの時、石を石ノミではつっていくところも難しかった。
・石積み、インターロッキングブロック施工とも手直しの連続で大変だったが達成感はある。
I、大きな石灯篭 J、石灯篭のイラスト  K、小さな滝  L、尾畑先生と太田先生

 

平成 29年 1月  17日 撮影

M、改修後のスロープ N、固まる土を使用 O、踊り場スペースとスロープ P、あずまや前スロープは施工中 
  尾畑先生 撮影   尾畑先生 撮影  

 概要と感想

 今年度第三回目の授業参加の前に、記念庭園のバリアフリー化のスロープがどのようになっているか見に来ました。

 左上写真Mは、記念庭園のバリアフリー化のスロープの入り口ですが、石灯篭のところまでは直線のようです。手前にインターロッキングブロックが見えておりますが、赤色のカラーコーンから先は色がいつもと違って見えます。

 中央上写真Nは、色が違うところをアップした写真ですが、今年度は「固まる土」という素材を使用したとのことです。

 実は、脇にそれる通路としては、写真の左に尾畑先生がおられるところまでですが、つい先ほどまでスペシャリストの佐伯先生が、コテで最後の仕上げをしていたところでした。
 ですから、この「固まる土」部分の通路を、本日は車いすで通ることができませんでした。尾畑先生に上の方の写真は撮影してもらいました。

 中央上写真Oは、「あずまや」までの間にある平らになった踊り場スペースです。

 右上写真Pは、「あずまや」前ですが、もう少しブロックを敷き詰める作業が残っているようです。

 左下写真Qは、上の石灯篭の辺りから尾畑先生が、スロープと垣根を撮影したものです。

 中央下写真Rは、改修中の同窓会記念館ですが、手前のフェンスとの間に池(南側)があります。同窓会記念館の南と北の両方に池があることになりますが、北側には池に隣接して松林や大きな石灯篭などがあり情緒豊かな風景になっていると感じます。

 中央下写真Sは、興陽館の外壁に立て掛けている剪定用の脚立であります。この記念庭園は、今までは一般の生徒さん達が出入りする場所というよりも造園デザイン科の生徒さん達が松の木などの剪定に入っていく場所だったようです。

 右下写真Tは、スペシャリストの佐伯先生が、「固まる土」の作業を終えて、青いビニールシートを敷いたところでした。スペシャリストの佐伯先生とは初対面でしたので、越智先生(右側)と佐伯先生(左側)のツーショットを撮らせていただきました。

 第三回目の授業参加の当日には、「固まる土」の通路部分を車いすで走らせて「あずまや」まで上がることができると思っています。スロープからの景色がどのようなものになっているかも合わせて大変楽しみであります。 

Q、スロープと垣根  R、改修中の同窓会記念館 S、剪定用の脚立 T、越智先生と佐伯先生
尾畑先生 撮影        

平成 28年 11月 1日 撮影 

U、雨上がりで板 V、太田先生と生徒さん達 W、澁谷先生 X、澁谷先生右と田中先生左 

 概要と感想

 本日は、今年度第二回目の授業参加ですが、前半は家政科の生徒さん達との合同授業ということで、興陽館前のパーゴラにある長いすに生徒さん達が座り、造園デザイン科の生徒さん達はいすを用意して、ホワイトボードを使用して授業をしました。

 このパーゴラの場所から、今年度整備中の記念庭園の入り口が目の前にあります。

 前半は家政科の生徒さん達との合同授業として、福祉住環境についてお話をしました。後半は造園デザイン科の生徒さん達だけですので、整備中のスロープについての感想を話しました。

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 さて、住宅内をなぜ整備したほうが良いのか。住宅内の環境が整備されていないと、どのようなことが起きるのか。

 一般的に、身体の機能が低下した高齢者や身体に障がいを持っている人などは、ご自分の住んでいる住宅内で移動がし易いようにとか、トイレや浴室などの設備が使い易いように住宅内の環境を良くしたいと考えておられる人は多いと思います。

 例えば、歩行時に足が上がらない「すり足歩行」の高齢者は、僅かな段差(5mm〜10mm)で転倒することがあります。高齢者が転倒して足を骨折するとリハビリをしても自立歩行が困難になって杖歩行になったり、住宅内を移動するために横手すりが必要となる可能性があります。

 また、身体の機能が低下した高齢者は、縦手すりがないと立てないとか、ドアは開き戸より引き戸のほうが動作しやすいというようなことがありますので、住環境の整備が必要になってきます。

 大まかに住環境整備の必要性をお話した後で、個別の住宅改修の考え方としまして、スロープの勾配・手すり・車いすの通路幅そして「車いす操作の仕方」などについて簡単に説明しました。下記は短く要点だけを簡単に記述したものです。

1、スロープの傾斜について、勾配の考え方は、建築では角度ではなく何分の一という言い方をします。
・車いすを自分で操作する場合は、スロープの勾配は1/15以下にしてもらいたいと思っています。
・造園デザイン科のバリアフリー庭園では1/15以下を目指して作庭しております。 

2、手すりについて
・一般的に、横手すり直径は35ミリ縦手すりは握って力が入り易いように直径32ミリと考えていますが、当事者手の大きさ身体能力を考慮して手すりの太さを決めてください。
・材質は、木製又はアルミニウム+塩化ビニール被膜(水回り用)の手すりなどがあります。(水回り用にステンレス製の手すりを使うと冬場手の熱を吸い取られるような気がします。)

手すりの取付(在宅で生活していることが前提)について
1)取付の位置は、動線を考慮するとともに、当事者の使用し易い高さにする。
2)手すりには、荷重に耐えられる下地がいる。なければ補強板が必要となる。

3、通路と廊下のスペース(幅)・・・車いす使用時(自操用車いすの幅:約65cm・介助用車いすの幅:約約55cmとして話しています)
◎住宅内においての車いすについて(自分で操作する場合について話しています)

1)市販の車いすの幅約65cm+腕の可動域約15cm。ですから、一般的に直線の通路幅は最低80cm必要となります。

2)住宅内での廊下入口有効幅員の関係で、福祉住環境コーディネーターのテキストでは廊下・入口の関係は85p×85pと書かれています。
 片方が80cmなら、もう一方は90cmとなります。

3)車いす操作の能力には個人差がある。(当事者にあったサイズをアドバイスする。)
 住宅改修においては、自分の車いす操作の能力から、当事者の車いす操作のレベルを考え、そこから廊下と入口の有効幅員を想像しています
 車いすの回転スペースのサイズは、公共施設では150cm×150cmとなっています。これぐらいあればほとんどの車いす利用者は回転できると思いますが、住宅内でこのスペースを確保することは難しい。

4)暮らして困らないと感じるサイズ
 廊下と入口の関係で85p×85pというのは、生活に必要な最低のサイズであると考えています。
 車いす操作の能力には個人差がありますので、障がいを持つ当事者にとっても介助する家族にとっても、なるべく生活し易いサイズを見つけ出すことが大切だと思っています。

4、車いす操作の仕方については、イラスト入りのA4用紙5枚をコピーしたものを配布し車いす介助の仕方を説明しました。

1)突然に押さないで、声を掛けてから車いすを押すようにしてください。

2)横断歩道などで急いで渡ろうと勢いをつけて押すと、歩車道境界部には段差があり、当事者が飛び出してしまい事故につながってしまう。
段差に対しては、車いすを垂直にしてアプローチする。

3)人混みでは前の人の足首が見えるぐらいに距離をおく。ステップが前の人の足首に当たれば事故になる。

4)急こう配のスロープ下る時には、後ろ向きで下りる。

5)キャスター上げは、片足でティッピングバーを踏むと同時に左右のグリップを下に力を加え車いすのキャスターを上げる

※実際の住宅改修での重要なポイントを簡単に述べます。
・当事者の身体能力を把握する。
・建物の現況を知る。
・当事者やその家族への聞き取り
・他職種との連携が大切である。(医療従事者と建築関係との連携)        以上のようなことを前半の合同授業で話しました。 

 私が口頭で話したことを、澁谷先生が分かりやすく要点をホワイトボードに箇条書きにしてくれました。
 スロープの勾配についてもイラストを描いてくれましたので、生徒さん達に話の内容が伝わったと思います。感謝。

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 後半の授業では、造園デザイン科の生徒さん達に、現在の庭園の感想をお話しました。

 昨日雨が降り通路になる部分ぬかるみ状態でしたので、私の車いすが進みやすいように、左上写真Uのように数枚の板を敷いていてくれました。感謝。

 中央上写真Vは、板が数枚ですので、車いすが通った後の板を前に持ってきて太田先生と生徒さん達が敷いているところです。感謝。

 中央上写真Wは、スロープの途中に踊り場スペース澁谷先生です。踊り場スペースには転落防止の垣根を設置する予定ですが、現在はその支柱だけが見えております。

 右上写真Xは、澁谷先生(右側)と田中先生(左側)ですが、この位置から田中先生が指差す方向記念庭園の池が見えます。

 第三回目の授業参加は、来年1月の予定ですが、両脇が石積みで通路のかたちになったところに、これからインターロッキングブロックを敷き詰めるところまで来たようです。

 しかしながら、勾配が1/15以下の緩やかなスロープになるだろうかとか、踊り場スペースの広さ転落防止の垣根の設置とか、このスロープから見える景色がどのようになっているだろうかなど、第三回目の授業参加が大変楽しみであります。

 

平成 28年 10月  26日 撮影

Y、整備中の入り口 Z、整備中の踊り場スペース AA、あずまや前 BB、あずまやから撮影
CC、玄関前の大きな石をチェーンブロックと三脚で移動中 

 概要と感想 

 本日は、第二回目の授業参加の前に、記念庭園のバリアフリー化のスロープ整備の進み具合を見に来ました。

 左上写真Yは、創立八十周年記念「興陽館」の隣にあるスペースですが、ここが入り口となる予定です。通路となるように、土や樹木を撤去するのに大変労力と時間を費やしたと想像します。

 しかしながら、先ず入り口のところに段差があり、凸凹の土道なので車いすで自力で「あずまや」まで上がれないので、尾畑先生に車いすを押してもらい「あずまや」まで上がりました

 石灯篭の手前に、通路となる予定の左右にふち石が置かれているのが分かると思います。

 中央上写真Zは、入り口から「あずまや」までの途中に、平らな場所をつくり踊り場スペースを作る予定にしています。

 中央上写真AAは、「あずまや」前のスロープの予定地です。右上写真BBは、「あずまや」まで上がって「あずまや」から撮影したスロープ予定地です。スロープの通路予定の両側にふち石が置かれているのが分かると思います。

 上写真CCは、玄関前の大きな石三又(三脚)とチェーンブロックで動かしているところですが、丸太の長さや太さが今までよりも長く太いようです。これぐらいの丸太を使わないと大きな石を動かせないということですが、1時間作業して数センチの移動ということで、なかなか労力と時間がかかるようです。三又(三脚)とチェーンブロックは、大きな石を現場内で短い距離を移動させるために使用されるらしい。

 左下写真DDは、右下写真IIの傾いた大きな石灯篭の石を、二本の太い丸太を固定し二又(二脚)とチェーンブロック一つ一つ移動しているところです。手前に大きな石灯篭の「火袋(ひぶくろ)」の石が見えております。

 人の力で持ち上げられない高さの石少し距離があるところに移動させたい大きな石などは、二又(にまた)が使用されるようです。

 三又(三脚)とチェーンブロックは、大きな石現場内でほんの短い距離を移動させるために使用されますが、少し距離がある場合は、吊り上げたまま平行に移動させることができる二又とチェーンブロックが使用されるようです。
 参考までに、大きな石をひもでくくって、二人でかつぎ棒を肩に乗せて約200kgぐらいの石なら、短い距離なら移動が可能なようです。

 右下写真EEは、「あずまや」まで上がる途中にある小さな滝ということです。

 入り口から「あずまや」までの通路のかたちや、途中の踊り場スペースの位置などが確認できました。来年1月頃の第三回目の授業参加までに、どのようなスロープが出来上がっているだろうか大変楽しみであります。

DD、二又 EE、小さな滝

 

平成 28年 6月 1日 撮影 

FF、記念庭園入り口 GG、整備前 HH、 あずまや II、傾いた石灯篭 
 尾畑先生 撮影   尾畑先生 撮影   尾畑先生 撮影 

 概要と感想

 今年度は、下の「見本庭園の東西の門の作成」と「クジラの庭のスロープの改修」と、興陽高校の校門入って左側にある「記念庭園のバリアフリー化」であります。

 来年度が学校の100周年になるようですが、同窓会記念館の改修とともに隣接する記念庭園も整備してバリアフリー化したいと考えているようです。

 左上写真FFは、創立八十周年記念「興陽館」の隣にある記念庭園のスペースですが、ここを入り口にしたいと尾畑先生から聞きました。
 ここを入り口として、記念庭園の中央上写真HHの「あずまや」まで車いすで上がれるようにバリアフリー化したいようです。

 中央上写真HHの「あずまや」は、写真で分かりますように、三方を壁で囲い屋根がありますので、ここで休憩したりお昼休みにお弁当を食べたりと、この「あずまや」を生徒さん達が活用しやすくするためにも、スロープを作って整備したいということです。 

 しかしながら、中央上写真GGで分かりますように、最初から道らしきものがありませんので、先ずは樹木や土を移動して通路になるようにしていかなければなりません。

 本日は車いすでは入って行けないので、尾畑先生に写真撮影をしてもらいましたが、入り口から築山(つきやま)(庭園内で土が盛り上がったところ)にあります「あずまや」まで車いすで上がるために勾配が1/15以下のスロープができるかどうか不安になってきます。

 右上写真IIは、阪神大震災の時の地震の影響で、傾いた大きな石燈篭であります。
 これも修正して元の姿に戻したいということですが、ここは機械が入っていけない場所なので、すべて人の力で作業しなければならないようです。

 第二回目授業参加の10月頃までに、どのくらい作業がが進むのか、はたまた今年度中にスロープが出来上がるのか、現在の様子からは心配だけがつのります。

 

平成 28年 6月 1日 撮影  

「クジラの庭のスロープの改修」 

JJ、通路側から撮影 KK、クジラの庭側から撮影 

概要と感想 

 車いすで走行するにはフラット(平ら)が良いと言いますが、タイルの継ぎ目や微妙な段差などで±0の通路面というのはなかなかありません。家屋内のフロアを考えた場合には、このフラット(平ら)にしたいという場合には凹凸で±3mm以内というのが現実的な数値であると思っています。

 段差が5mmありますと、車いすの前輪(前にある小さいタイヤ)が止まってしまい前に進みません。そういう時は、力を入れて勢いよく進ませるか、前輪を浮かせて進むようにしていますが、スムーズに進むことができません

 さて、左下写真LLは、クジラの庭全体とスロープ藤井先生が撮影してくれたものですが、昨年度つくられたクジラの庭のスロープであります。この日は、写真で分かりますように、生徒さん達がダンスの練習をしておりました。

 右下写真MMは、クジラの庭の頭側にあるスロープを撮影したものですが、スロープのブロックと通路のモルタルとの境目に段差があり、車いすでスロープを下る時に大変危険であるので、もっと滑らかな面にしてもらいたいと思っておりました。

 左上写真JJ通路面から撮影したのですが、今年度の第一回目の授業参加には、既にこのスロープを改修してくれていました。クジラの庭からスロープを下ってみましたら滑らかに車いすが動きました。感謝。

 スロープ下のモルタルの通路との段差の納まりとスロープの勾配をどのように計画したかなど、スロープの勾配やスロープ周辺の特徴を教えてもらいました。

 スロープの勾配を1:15になるようにつくり、小さな段差が出来ないようにし、設置してある排水溝に水が流れるように表面排水を考えたようです。

 表面排水とは、床面の表面にわずかな傾斜を作って、近くの側溝に水が流れるようにする方法であります。家庭内の浴室を思い浮かべてみてください。多くの浴室が、表面排水になっていると思います。

 三種類の形のインターロッキングブロックをうまく接するようにするように考えたり、モルタルの通路とインターロッキングブロックの継ぎ目の施工が難しかったようです。
 確かに左上写真JJで、素材や形が違うのが分かりますが、この違った素材の境目や継ぎ目に、段差をなくし滑らかにするのは大変苦労したと思います。

 右上写真KKは、クジラの庭側から撮影したスロープと通路面ですが、滑らかな様子が分かると思います。通路幅は約2mありますので、車いすと車いすがすれ違うことが出来ると思います。

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 通路面が滑らかになったことで、視覚障がい者がスロープを下ってきた時に、左右どちらの方角に進んだら、その方の目的の場所に行くことができるだろうか迷ってしまうのではないかと危惧しています。

 段差がないほうが良い車いす利用者段差によって方向性や危険性などを察知する視覚障がい者とが、一緒に社会生活するために線状・点状ブロックがあることを再確認することができました。

 車いす利用者としては、スロープを滑らかに改修してくれてありがとうございました。感謝

LL、クジラの庭の全体   MM、頭側スロープ
平成28年2月25日 撮影  平成28年2月25日 撮影 
藤井先生 撮影   

 

平成 28年 6月 1日 撮影 

「見本庭園の東西の門の作成」 

NN、改修後の西門  OO、改修後の東門  PP、改修後の東門の屋根 

 概要と感想

 平成19年度「見本庭園のバリアフリー化で、左下写真QQの西門と建仁寺垣を作成しましたが、今年度は左上写真NNのように屋根が瓦になった西門に改修されておりました。作成した当時の左下写真QQの垣根と左上写真NNの竹の色年月の流れを感じさせてくれます。

 生徒さん達は、瓦をふいていくのがたいへんだったようですが、ボロボロで壊れそうだった門が迫力のある門になり、周りの景観にあっていると思うという感想でした。

 今年度も見本庭園側和楽の庭側段差をなくしたようですが、平成19年度和楽の庭側からこの西門をくぐり車いすで見本庭園に入って、生徒さん達と一緒にお茶会を催したのを思い出します。

 

 右下写真RRは、平成19年に見本庭園の東門を撮影したものですが、入り口に段差があり塀も風通しがよい状態でした。いつかここも段差をなくし見栄えのよい塀にしてもらいたいと思っていたのですが、今年度は授業時間の都合で、中央上写真OOで分かりますように門のみの改修となったようです。

 生徒さん達も塀のことが気がかりのようでしたが、後輩に任せたいということです。

 右上写真PPは東門の屋根部分ですが、杉板、杉皮、竹材で施工されていて、杉皮が風などで飛んでいかないように工夫したようです。

 西門も東門も周りの景観に溶け込み大変落ち着いた感じに出来上がっていると感じています。 

QQ、西門 RR、東門 
 平成19年10月30日 撮影 平成19年10月30日 撮影

 平成29年 3月 下旬現在

 

バリアフリー庭園について 

まくあいのこかげの入口  各庭園のイラスト
平成26年3月31日 撮影  平成26年3月31日 撮影

※上写真は、バリアフリー庭園十ヶ所の位置と様子を描いた案内板ですが、「まくあいのこかげ」の入口にあります。

案内板は、下記説明の「山野草園」「実のなる庭の実のなる木「四季を彩る庭」流れのある庭」「バリアフリー展望台「友集の丘」和楽の庭」「見本庭園のバリアフリー化」「干拓地の生き物を知る」「万葉の小径」「まくあいのこかげ」の10庭園の位置情報であります。

 私はたまに京都の観光地(神社や寺)や町を散策することがありますが、古い建物とバリアフリーとの融合の難しさを感じます。ここの「バリアフリー庭園」では当初から和風テイストのうえにバリアフリーUD(ユニバーサルデザイン)をうまく融合させているように思います。京都の観光地(神社や寺)や町とはが違いますが、和風テイストとともにここ独自の庭づくりに挑戦していて本当に素晴らしい庭(空間)が出来上がっていると感じております。

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 バリアフリー庭園平成13年度から作庭していますが、高齢者車いす利用者視覚に障がいがある方そして子供さん達などが容易に庭園内を散策できるようになっています。
 このサイトでは3年目の平成15年度から庭園の紹介をしております。

 平成13年度の「山野草園」では「露地門」や「灯篭」や「水琴窟」、平成14年度「実のなる庭の実のなる木」では「四つ目垣」や「スロープ」、平成15年度の「四季を彩る庭」では「木製のかけ橋」や「石積み」や「花時計」、平成16年度の「流れのある庭」では「浅瀬の細長い池石橋」や「乱杭(木製)で車いすの前輪止め」、平成17年度の「バリアフリー展望台「友集の丘」では「らせん状の石垣」と「長いスロープ」、平成18年度の「和楽の庭」では「石の顔」にこだわり「矢掛の青御影や万成石や豊島の石」などを配置したり、パーゴラ長いすの周りに集うことがでるスペースをつくったり「盆栽」置場として整備してきました。

 平成19年度の「見本庭園のバリアフリー化」では、「露地門」や「建仁寺垣」や「腰高麗袖垣」そして「山目地の工法による石畳のバリアフリー化」をし、平成20年度の「干拓地の生き物を知る」では、絶滅危惧種に指定されている魚や植物の保護のために細長い池をつくり、各庭園石橋インターロッキングブロック舗装で結び一つの庭として高齢者や車いす利用者や子供さん達などが容易に散策できるようにしました。

 平成21年度の「万葉の小径(まんようのこみち)」では、時という壁(バリア)を超えて万葉人(まんようびと)の心に触れられるような庭園をつくりました。石の桁と板をつかった転落防止竹の柵インターロッキングブロック舗装縁石・乱杭・低い四つ目垣・太い竹の車止めなど、これまでの庭園施工の技術面がまとめて取り入れられています。
 万葉集で詠まれた庭や植枡に植栽し、生徒さん達や先生方短歌も紹介しています。

 平成22年度の「まくあいのこかげ」(「幕間の木陰ひらがなで明記」)は、バリアフリー庭園をつくり始めてこの周辺の区画では10年目最後の年で、バリアフリー庭園全体の入口となる庭園をつくることになりました。車いす利用者が使用できる洗面台や子供さんのための足洗い場長いす大きな樹木の木陰などがあり、皆さんがくつろげる広場となっております。

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 平成23年度は「50周年記念庭園のバリアフリー化」ということで、40年前に「50周年記念庭園」として先輩方が寄贈してくれた庭園を、先輩方の思いを大事にしたいと考え、噴水や樹木ワシントンヤシ・フェニックス・ヒラドツツジ・サツキなど)を残しながら、いかに自分達らしい庭園のバリアフリー化をすることでありました。
 正面入口通路他3つの通路も通路幅を広げゆるやかな勾配スロープになっていて、噴水周りの通路とともにインターロッキングブロックを敷き詰めています。水槽の内側にネットを張って安全性を確保する方法に大変驚きそして大変感心いたしました。大変素晴らしいアイデアだと思っています。
 正面入口のアーチ屋外に常時設置の石のテーブルがあることで、癒される空間になっていますので高齢者・車いす利用者・子供さん達など皆さんがこのスペースで憩うようになると想像しております。

 平成24年度は「50周年記念庭園のバリアフリー化」に隣接するスペースで、こちらも「50周年記念庭園」として先輩方が寄贈してくれた庭園でした。「50周年記念庭園のバリアフリー化パート2」として作庭しましたが、平成15年度「四季を彩る庭」にある「かけ橋」の作り直し大きな石の上に日時計がある石碑とその周り、そして大きな日時計がある広場など、離れた三ヶ所のスペースを施工しております。
 広場のインターロッキングブロック舗装にはハートマークを多用して、時には癒される空間、時にはアクティブな空間として、使用する人の気持ちしだいで様々な空間としての顔を見せてくれる楽しみな庭園であります。

 平成25年度「LINK〜時を刻む〜」は、中庭にあります「80周年記念庭園(くじらの庭)」の横区画のスペースで、庭園内に農業機械科の生徒さん達が製作した「UDのテーブル&いす」を置いたり、家政科の実習授業のためにカラフルな植筒ハーブの植栽や、支柱が御影石の大小の流し台を設置したりと、造園デザイン科だけでなくそれぞれの科との「つながり」を考えて作庭した庭園であります。

 クジラのいすやテーブルが置いてあるところから、周りが石積され中心植栽された各樹木を見渡すことができ、春夏秋冬の時を刻むことのできるとてもゆったりした趣のある大変素晴らしい庭園になっています。 カラフルな植筒は、車いす利用者背の低い子供さん達目線の高さのことを考え、様々な高さにしています。

 平成26年度「香楽園(こうらくえん)」は、「香り」がテーマで多くの方がこの庭園内で季節に応じた花の香りを楽しめるようになっています。大き目の「植え筒」にはメインの樹木とその周りに寄せ植えの花があり、車いすで容易に近づいて花の香りを楽しむことができます。
 「50周年記念庭園のバリアフリー化パート1」と違和感なく融合して、教室の生徒さん達から見て、心が落ち着く癒される空間になっているのではないかと思っています。

 「緑のカーテン」とか、排水のために庭園全体に勾配がついていたりとか、言われて気が付くような細かなところにも工夫があります。
 コンクリート舗装の通路板石幅広い通路に変更しましたが、御影石の板石は、表面がツルツルで光沢がありましたが、安全のためにバーナーの火で表面を飛ばしザラザラになっていますので滑りにくくなっています。

 平成27年度「鳥達の集う滝」「クジラの庭のスロープ」は、80周年記念庭園「クジラの庭」スロープを二ヶ所つくるとともに、教室脇のコンクリートの廊下と庭の通路の段差解消ということでスロープをつくってくれました。

 また、「鳥達の集う滝」は、大きな石の配置を「天」「地」「人」の基本形をもとにして「滝石組」を作りました。水が流れるように「滝石組」の石を配置し実のなる樹木を植栽して、その実を食べに来た小鳥の囀り(さえずり)が聞けるような庭になっていて、コンパクトなサイズの庭に盛沢山の工夫が凝縮された大変素晴らしい庭が出来上がっておりました。
 一日中観ていても飽きないと思わせるほど、大変素晴らしい風情がある滝石組だと感心しております。

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 大変残念なことですが、平成22年度「まくあいのこかげ」・平成24年度「50周年記念庭園のバリアフリー化パート2」・平成25年度「LINK〜時を刻む〜」に設置されていた「休憩することができるの建物」は、傷みが激しいということで現在は撤去されております。

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 区画ごとにテーマは違いますが、興陽高校では各庭園を「バリアフリー庭園」と呼んでおります。では、なぜバリアフリー庭園と呼んでいるのか。それは、物理面でUDを目指した作庭というだけでなく、バリアフリーをより広くとらえて人の心・自然保護・伝統的文化・時を超えて歴史的文学や香り等様々なバリアに対応しながら作庭に取り組んでいますので、この学校ではUDではなくバリアフリー庭園と呼んでおります

 また、造園デザイン科だけでなく農業機械科とのコラボ家政科との合同授業など、一つの学科にとどまらず他の学科との壁を作らないということでも、ある意味でバリアフリーであると考えています。

 どうぞ、「バリアフリー庭園」の個々の庭を散策して、生徒さん達の作品「思いやり」を堪能していただきたいと思っております。

 

平成15年度「四季を彩る庭」  / 平成16年度「流れのある庭」 / 平成17年度の「バリアフリー展望台「友集の丘(ゆうしゅうのおか)」

平成18年度「和楽(からく)の庭」 / 平成19年度「見本庭園のバリアフリー化」 / 平成20年度「干拓地の生き物を知る

平成21年度「万葉の小径(まんようのこみち)」 / 平成22年度「まくあいのこかげ」 / 平成23年度「50周年記念庭園のバリアフリー化

平成24年度「50周年記念庭園のバリアフリー化パート2」 / 平成25年度「LINK〜時を刻む〜」 / 平成26年度「香楽園(こうらくえん)」 

平成27年度「鳥達の集う滝」「クジラの庭のスロープ」 / 平成28年度「記念庭園のバリアフリー化」  

日本における住環境の現状 / 福祉住環境コーディネーター / 住環境の整備について

介護保険制度と住生活との関係 / 町角のバリアフリーの意識 / 住環境についての質問コーナー