A、正面入口からの庭園の全景 | B、スロープを入れての全景 | C、正面入口と反対側からの全景 |
造園デザイン科 庭園施工管理類型 3年 18名(平成26年度)
庭園の紹介に入る前に、まずバリアフリーとUD(ユニバーサルデザイン)について簡単に記述しますと、バリアフリーとは、新しくつくる建物や既にあるものに対してのバリアをなくするという物理面だけでなく、情報面(手話・音声・字幕・映像など)や制度面(バリアフリー新法など)、人の心といった精神面などの様々な障壁を取り除いて、高齢者・障がい者(手足の障がい・視覚障がい・知的障がい・精神的障がいなど)・乳幼児連れ・外国人・その他困っている人などが社会に参加できるようにすることであると思っています。
UDは、新規につくるものについての製品や人をとりまく環境づくりについて7つの原則(公平性・柔軟性・単純性と直感性・認知性・安全性・効率的で疲れない・利用のためのサイズと空間があること)があり、最初からバリアのない世界を目指していますが、それは主に物理面についての原則であると考えています。
現状ではバリアフリーとUDのどちらの考えが優れているかを問題にするのではなく、「よりよい社会」そして「過ごしやすい町づくり」にしていくためには両方の考え方が必要であると考えています。
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公共性の高い庭園については、多くの利用者が利用しやすいかどうかで評価される場合が多いと思いますが、このページでは、多くの人が利用しやすい庭園になるまでの過程を説明したいと思っています。
興陽高校の造園デザイン科の生徒さん達の「バリアフリー庭園」の作庭において、授業のなかで生徒さん達が苦労したことや工夫したことなどを説明したいと思っています。
さて、今年度は、南国風の「50周年記念庭園のバリアフリー化パート1」と「農業課棟」の校舎との間にあるスペースを作庭する予定であります。
「50周年記念庭園」に隣接した場所ですから、「50周年記念庭園」の延長として南国風にするのだろうかとも微かに想像していたのですが、その想像は見事に外れ、今年度は「香り」という新しいテーマを打ち出してきました。
鼻に障がいがなく香りを嗅ぐことができれば、多くの方がこの庭園内で季節に応じた花の香りを楽しめるのではないかと思っています。
コンクリート舗装の通路を板石の幅広い通路に変更しましたが、長い板石の通路は初めてであります。御影石の板石は、表面がツルツルで光沢がありましたが、安全のためにバーナーの火で表面を飛ばしザラザラになっていますので滑りにくくなっています。
大き目の「植え筒」にはメインの樹木とその周りに寄せ植えの花があり、車いすで容易に近づいて花の香りを楽しむことができます。
他にも「緑のカーテン」とか、排水のために庭園全体に勾配がついていたりとか、言われて気が付くような細かなところにも工夫があります。
この庭園全体が自身を主張しながらも、「50周年記念庭園のバリアフリー化パート1」と違和感なく融合して、教室の生徒さん達から見て、心が落ち着く癒される空間になっているのではないかと思っています。
左上写真Aは、正面入口から今年度の庭園の全景ですが、排水溝の上の新しいグレーチングは、「2014」の数字がある「植え筒」の少し先までであります。その先は来年度予算が取れたら設置したいということでした。
中央上写真Bは、スロープを入れた庭園の全景ですが、スロープのキャスター止めにこんなに大きな角棒石を設置しているのを見たことがありません。
とても重そうな角棒石を運搬し設置するのは大変苦労したでしょうが、このような角棒石を授業で扱うことができるとは大変幸せなことでもあると思っています。
右上写真Cは、正面入口と反対側からの全景ですが、現在更地の部分には芝を植栽する予定になっています。芝は、春先4月か5月に繁殖が旺盛である「ティフトン」を植えたいと尾畑先生から聞きました。
今のところ植栽された木や花が小さいということもあり、少し緑が寂しい感じを受けますが、芝が植栽され木々が大きくなり花が咲けば、庭園全体の雰囲気も変わって来ますし、テーマである「香り」が漂ってこの庭園の良さが出てくるのではないかと思っております。
一月中旬に訪れた時のこの庭園のことを考えますと、本当に今年度中に庭園が仕上がるのか本当に心配しましたが、本日拝見して心が癒されるような大変素晴らしい庭園が出来上がっていて感慨深いものがありました。
このページで、生徒さん達の熱い思いが隠った庭園の過程を知っていただけたら幸いであります。
どうぞ、お時間がありましたら、今年度(平成26年度)「香楽園(こうらくえん)」と、案内板が設置された10のバリアフリー庭園そして「50周年記念庭園のバリアフリー化パート1」・「50周年記念庭園のバリアフリー化パート2」と昨年度「LINK〜時を刻む〜」などで、ゆっくりと歩みを進めて気持ちをリフレッシュさせていただきたいと思っております。
毎年度ながら、庭園の設計・施工の実習授業で、これほど素晴らしい庭園をつくりあげてしまう生徒さん達を指導する興陽高校の先生方の奥深い考え(生徒さん達の自由な発想の重視など)や指導力や技術力の高さにあらためて感服致しております。
※施工の過程については、ページの一番下からみてください。
◇岡山県立興陽高等学校
住 所 : 岡山県岡山市南区藤田1500
電 話 : 086-296-2268(代表)
URL : http://www.koyohigh.okayama-c.ed.jp/
「造園デザイン科 第3学年 庭園施工管理類型 18名(女生徒 8名)」
(造園デザイン科 科長 尾畑篤司先生、藤本泰史先生、藤井泰彰先生、田中賢造先生、太田貴久先生、久富優子先生)
内閣府特命担当大臣表彰優良賞受賞(平成19年度バリアフリー化推進功労者表彰) 受賞者一覧
◇山陽学園大学
住 所 : 岡山市中区平井一丁目−14−1
電 話 : 086-272-6254(代表)
FAX : 086-273-3226
URL : http://www.sguc.ac.jp/
総合人間学部 生活心理学科
澁谷俊彦教授 (倉敷市伝統的建造物群等保存審議会会長、岡山県環境審議会委員)
D、ライラック | E、サルスベリ | F、ライラック | G、カラタネオガタマ | H、タイサンボク |
左上写真Dは、正面入口に一番近い植え筒ですが、中心に植えてあるメインの樹木は「ライラック」で、その周りに「ナツボウズ」・「ヒメクチナシ」・「ジンチョウゲ」・「ラベンンダー」などが寄せ植えされていました。
中央上写真Eは、スロープの傍にある植え筒ですが、中心に植えてあるメインの樹木は「サルスベリ」で、その周りに「ナツボウズ」・「クチナシ」・「ジンチョウゲ」・「チョウジガマズミ」・「キンリョウヘン」などが寄せ植えされていました。
中央上写真Fは、芝生を植栽する予定の傍にある植え筒ですが、中心に植えてあるメインの樹木は「ライラック」で、その周りに「ナツボウズ」・「ヒメクチナシ」・「ローズマリー」などが寄せ植えされていました。
中央上写真Gは、正面入口から一番遠い位置にある植え筒ですが、中心に植えてあるメインの樹木は「カラタネオガタマ」で、その周りに「ナツボウズ」・「キンリョウヘン」・「ジンチョウゲ」などが寄せ植えされていました。
右上写真Hは、「50周年記念庭園のバリアフリー化パート1」との境界付近にある植え筒です。中心に植えてあるメインの樹木は「タイサンボク」で、その周りに「ナツボウズ」・「クチナシ」・「ジンチョウゲ」などが寄せ植えされていました。
その他、庭園内のスロープとポンプ室の間に、「ロウバイ」を中心としてその周りに「クチナシ」と「ヒサカキ」が寄せ植えされています。芝生植栽予定の正面入り口に近い方の「キンモクセイ」の周りには「ヒメクチナシ」・「ヒサカキ」が寄せ植えされ、もう一方の「キンモクセイ」の周りには「ジンチョウゲ」と「クチナシ」が寄せ植えされていました。
左下写真Iで、ポンプ室の壁はブロックですが、今のところ校舎側だけを「緑のカーテン」でブロックを覆っていました。重さ300kgのとても大きな角棒石(御影石)を移動し設置するのは大変苦労したようです。
下の10月頃の写真でも分かりますように、板石との高さ調整もありますので、この庭園の作庭では比較的早い時期に角棒石を枠にして「植えマス」として設置しているのが分かると思います。
疑竹を格子状にして、「植えマス」にテイカカズラを植栽していますが、まだまだブロックの全面を覆って「緑のカーテン」にはなっていませんが、それは時が解決してくれると思います。
正面入口から、「創立五十周年記念」「内閣総理大臣 佐藤栄作書」と刻まれています記念碑の周辺の通路までが、今年度の作庭の範囲であります。
中央下写真Jで分かりますように、ブロック一つ分の高低差があるのが分かると思います。
それから、車いすで走らせやすい新しいグレーチングは、今年度の予算の関係から正面入口から20枚分ということで、今年度の作庭ではまだ既存のグレーチングのまま使用している部分があります。
中央下写真Kで分かりますように、「植え筒」は円状ですので、板石を設置する場合にはその線に沿って切断したものでなければなりません。それから、「植え筒」の外周に細かいタイルを貼り詰めていますが、小さな正方形のタイルを組み合わせて文字にしているようです。
右下写真Lは、スロープの角棒石の下に青石を入れて高さを調整しています。スロープ両端の大変重そうな角棒石をチェーンブロックで移動して設置したのも大変な苦労があったと想像しています。
1月27日に拝見した庭園の様子を考えると、今年度中の授業内で庭園を完成させることは無理かもしれないと考えていました。
あれから生徒さん達全員で、2月の上旬頃までにここまで一気に仕上げて卒業をされたと、尾畑先生からお聞きし流石に造園デザイン科の生徒さん達であると大変感心しております。
大変お疲れさまでした。
I、緑のカーテン | J、ブロックの高さ | K、弧状の板石とタイル | L、青石 |
M、入口方向からの全景 | N、反対側からの全景 | O、境界 | P、板石 |
左上写真Mは、入口方向からの今年度の庭園の全景を写したものですが、溝のグレーチングが既存のままでありました。
中央上写真Nは、入口とは反対方向から写した今年度の庭園の全景でありますが、植え筒に土を入れメインの樹木がそれぞれに植栽されていました。寄せ植えはこれからということです。
中央上写真Oは、「50周年記念庭園のバリアフリー化パート1」との境界の周辺で幅約1mぐらいブロックを敷き詰める作業が残っているようです。
右上写真Pは、正面入口付近の板石ですが、安全のためツルツルだった端もバーナーの火で飛ばしておりました。端の光沢を無くしても、元々の板石の置き方がいいのでデザイン的にも大変素晴らしい板石の通路が出来上がりつつあると思っています。
中央上写真Oの植え筒には、タイサンボクが植栽されています。他の各植え筒にカラタネオガタマ・ライラック・サルスベリが植栽されており、庭内にロウバイやキンモクセイも植栽されていました。
「香り」をテーマにしたメインの植物がやっと植えられ庭園らしくなってきました。完成まであと少しというところまで来ていると思います。
しかしながら、板石の端を安全のためバーナーの火で飛ばす作業が残っていたり、寄せ植えの作業、ブロック施工の作業、芝を植栽する作業などが残っているので、後わずかな日数で庭園が完成するかどうか心配であります。
下記は、設計と施工について、平成27年1月14日以降に各代表の生徒さんが、庭園施工管理類型の生徒さん達の意見をまとめてくれたものです。
今年度の生徒さん達は、特に設計や作業の内容について、詳細に教えて下さったので、私が想像していた以上に、生徒さん達のこの庭園に対する思い入れを感じる事が出来ます。
失敗したことや苦労した点や工夫したところなどが、クラスの仲間とのつながりを強くしたり、より素晴らしい「香り」をテーマにしたバリアフリー庭園をつくりたいという気持ちが伝わってきます。
(平成27年1月27日 現在)
◇設計責任代表者(松岡遼太) | ◇施工責任代表者(日下美沙紀) |
「50周年記念庭園」南側施工地をどのような思いで計画されたのでしょうか。 1、今年度の庭園の名前と、名前をつけた理由。 ・庭園の名前:「香楽園(こうらくえん)」 ・理由:香りを楽しむ庭。三名園の後楽園とかけて。 |
どのような思いで「50周年記念庭園」の南側施工地を施工されたのでしょうか。 施工に関して難しかった点や工夫した点を教えてください。 1、測量及び全体のレベルを出して整地にするまでにかかった日数はどれぐらいですか。 各々で工夫いた点や苦労したことについて教えてください。 ○測量は、板石の所の測量と全体の平面図の測量と、インターロッキングブロックを施工 するための測量の3つの測量をしました。 ・測量するときは、高低差が合わなかったり、数値のよみまちがいが多く、何回も 高さの測量をしました。 ・整地はでは、まず元々あった通路を壊すところからしました。石ノミや石頭を使っ たりと、とても力がいる作業だったので、女子には少し大変でした。 ・全て壊したら土を入れます。しかし、ホイルローダーが中に入ることができないので、 ねこ車で何度も往復して土を運びました。 2、通路の板石について、切断や熱処理や目地など、詳細な作成過程と工夫した 点や苦労した点、難しかったところを詳細に教えてください。 ○板石の通路の作成過程は、まず板石をコンクリート管周りのカーブなど、その場 に合った形にカッターで切っていきます。(大60cm×30cm)(小14cm×14cm) ・切ったものをセメントと砂でできたカラネリをこうがい板でならして整地したところに 仮置きします。 ・そこで水平器・水糸で高さなどをみて合っていれば、板石の下にセメントと水を混ぜ たセメントペーストをしいて張っていきます。 ・そして、徐々に板石が張っていけたら目地を入れます。 ・目地はセメントと砂と水を混ぜたもので、かたまりやすいので手早くしないといけな ので大変でした。 ・目地を入れて固まったら板石の表面のふちを車イスの人や杖をつく人が滑らない ように、アセチレンガスと酸素で熱処理をします。その時に、目地のモルタルに火を 近づけるとモルタルはは火に弱くて、もろくなってしまうので目地をやかないように気 をつけました。 3、ポンプ室の外壁の処理で「緑のカーテン」を作成しましたが。その作成過程を詳細 に教えてください。難しかった点や工夫した点も教えてください。 ○緑のカーテンの花壇に使っている角棒石は、学校にある自然なものを使いたかった からという目的で使用しました。 ・作成過程は、まず角棒石にルートハンマーで穴をあけ、そこにセリ矢をさして石頭で 叩いて切断します。 ・それを運搬車で設置場所近くまで運び、そこからチェーンブロックで向きや位置を調 整して設置します。そのときに正確な向き・高さにするためにカナデコを利用し、石や 土を入れて調整しました。 ・倒伏防止のためにセメントを花壇の内側に入れて固め、土を入れます。このときに ウォータースペースをとります。その上に疑竹で作った格子状の支柱を設置しました。 ・疑竹は、長さを合わせて切り20cm間隔で格子状になるようにタテ・ヨコ重なった部分 を男結びして固定します。 ・なぜ20cmかというとテイカカズラを植栽したときに登りやすい間隔だからで、テイカ カズラにした理由は常緑で匂いも強く成長が速くて学校にあったからです。 4、植え筒の作庭過程を教えてください。難しかった点や工夫した点も教えてください。 ○植え筒は、植物を植栽するものです。 ・まず長さ2m45cm、直径110cm、厚さ8cm、重さ3tのコンクリート管をカッターで5 つに切り分けます。切ったコンクリート管をチェーンブロックを使って設置します。 ・設置できたら表面を削りました。 ・植え筒は、そのまま使ってしまうと見た目が悪いので、タイルで文字を書いたり装飾 をしました。 ・全てにタイルが貼れたら、セメント3:砂1で作ったモルタルを目地として入れたら完成 です。 ○大変だったことは、コンクリート管を切るときにコンクリート管の中にワイヤーが入っ ていて火花が出て危なかったり、内側と外側の切った線をそろえることや、タイル貼り だととても細かい作業だし、じっとしてやるので冬場はとても寒かったです。 ○この植え筒には、クラス全員の名前が入っていたり、自分でデザインしたりと、とても 工夫しています。 5、新しいグレーチングやスロープの設置について、作成の過程を詳細に教えて下さ い。難しかった点や工夫した点も教えてください。 ○元々通路と水路があり、通路側が高く水路側が低かったので、水路の部分に境界 ブロックをすえ、通路部分には板石をはるための基準をつくり、境界ブロックの高さに 合わせて板石を施工しました。 ○水路の上には、転落防止のグレーチングを設置しますが、元々あったグレーチング は、格子の間隔が広く車いすの前輪が格子と格子のの間にはさまる可能性があるた め、もっと間隔が狭いものを採用しました。 ○境界ブロックは、設置するためにモルタルをつくり高さや平行を合わせながらモル タルで固定しました。ブロックとブロックの間は1cmから1.5cmあけてそこに目地を 入れました。 ○スロープ両端に角棒石を運搬車とチェーンブロックで移動させすえつけました。 ・右の下には青石を入れて、外から見えてもキレイに見えるようにしました。 ○インターロッキングを施工するときは、ブロックが正方形で小さかったため、時間が かかりなかなか進まず大変でした。 6、その他、植栽やインターロッキングブロックについての作業過程について詳細に 教えてください。 ○インターロッキングブロックの施工は、まず測量をして高さを出し、くいを打ってそこ を目安に水糸をはります。その水糸に合うように砂で高さを調整して勾配ができるよ うにしました。 ・そこにブロックを施工していくのですが、まず色と置き方を決めました。 ・今回は今までにない並べ方をしたかったので少し複雑でした。 ・色も1つの色だけが浮くとだめなので、全体的に色をおとなしめにし、左右対象にした かったので、まん中でT型になるようにしました。 ・傾斜の理由は、平面排水だからで30cmで1cm上がるようにしました。 ○植栽は、テーマの香りにあう木を先生方のアドバイスを参考にして選びました。 |
Q、スロープ | R、澁谷先生と太田先生 |
左上写真Qは、ブロックが敷き詰められ幅の広いスロープが出来上がりつつあります。
右上写真Rは、樹木の周りに植栽する根締めの木を、ホワイトボードの前に運んできて紹介していました。
樹木の根元近くに植える植物を、「根締め=ネジメ」と言うらしく、木の高さは低く高い木の根元を隠すための木のようです。
樹木の周りに植栽する木を「寄せ植え」という表現も使うようです。
右上写真Rで、左側が澁谷先生、右側が太田先生です。
S、正面入り口から全体 | T、芝植栽予定と周辺 | U、境界 | V、スロープ周辺 |
左上写真Sは、正面の入口から今年度の庭園を撮影したものです。ここだけ見ると昨年の10月とさほど変わっていないように思ってしまいます。
中央上写真Tで、緑の部分はこれから芝生を植栽し、その周りはインターロッキングブロックにする予定であると聞きました。
中央上写真Uは、「50周年記念庭園のバリアフリー化パート1」との境界の周辺で幅2mぐらいブロックを敷き詰める作業が残っているようです。
右上写真Vで、両側に大き目の角棒石がありますが、この内側にブロックを敷き詰めて、「50周年記念庭園のバリアフリー化パート1」から入って行けるようなスロープにする予定であります。
左下写真Wは、角棒石を枠にして「植えマス」とし、格子状の疑竹を組み、テイカカズラを植栽し「緑のカーテン」にしたいようです。
中央下写真Xは、「L 3」のローマ字と数字が分かると思いますが、これはクラス名であります。他の植え筒には、クラスメイトの名前が正方形の小さめのタイルを組み合わせて表現しておりました。
しかしながら、どの植え筒にも土が入れられておらず、植栽もなされていませんでした。
中央下写真Yは、板石の通路ですが、まだ板石に光沢の部分が残っていて心配になってきました。
右下写真Zは、既存のグレーチングのままでありました。
本日、この庭園を見渡してみて、インターロッキングブロック施工の作業残っていたり、肝心の植栽が庭園内にも植え筒内にも見当りませんでした。
先生から板石は、安全のため全面をバーナーの火で飛ばして行く方向で考えていますと電話で話を聞きましたが、それもこれからの作業のようです。
3年生の授業は今月末までと聞いているので、それまでに庭園が果たして完成するのか不安になってきました。
W、疑竹 | X、植え筒 | Y、板石 | Z、グレーチング |
AA、ホワイトボード | BB、板石の通路 | CC、植え筒 |
この日は、「50周年記念庭園のバリアフリー化パート1の水槽の傍で授業をしましたので、先生が左上写真AAのホワイトボードを準備してくれていました。
前半は家政科の生徒さん達との合同授業として、福祉住環境について少しお話をしました。後半は造園デザイン科の生徒さん達だけですので、今年度の庭園の感想についてお話をしました。
住宅内をなぜ整備したほうが良いのか。住宅内の環境が整備されていないと、どのようなことが起きるのか。
一般的に、身体の機能が低下した高齢者や身体に障がいを持っている人などは、ご自分の住んでいる住宅内で移動がし易いようにとか、トイレや浴室などの設備が使い易いように住宅内の環境を良くしたいと考えておられる人は多いと思います。
例えば、歩行時に足が上がらない「すり足歩行」の高齢者は、僅かな段差(5mm〜10mm)で転倒することがあります。高齢者が転倒して足を骨折するとリハビリをしても自立歩行が困難になって杖歩行になったり、住宅内を移動するために横手すりが必要となる可能性があります。
また、身体の機能が低下した高齢者は、縦手すりがないと立てないとか、ドアは開き戸より引き戸のほうが動作しやすいというようなことがありますので、住環境の整備が必要になってきます。
大まかに住環境整備の必要性をお話した後で、昨年度の家政科の生徒さん達からの質問を参考にしまして、スロープの勾配・手すり・車いすの通路幅そして「車いす操作の仕方」などについて簡単に説明しました。下記は短く要点だけを簡単に記述したものです。
1、スロープの傾斜について、勾配の考え方は、建築では角度ではなく何分の一という言い方をします。
・車いすを自分で操作する場合は、スロープの勾配は1/15以下にしてもらいたいと思っています。
・造園デザイン科のバリアフリー庭園では1/15以下を目指して作庭しております。
2、手すりについて
・一般的に、横手すりの直径は35ミリ、縦手すりは握って力が入り易いように直径32ミリと考えていますが、当事者の手の大きさや身体能力を考慮して手すりの太さを決めてください。
・材質は、木製又はアルミニウム+塩化ビニール被膜(水回り用)の手すりなどがあります。(水回り用にステンレス製の手すりを使うと冬場手の熱を吸い取られるような気がします。)
・手すりの取付(在宅で生活していることが前提)について
1)取付の位置は、動線を考慮するとともに、当事者の使用し易い高さにする。
2)手すりには、荷重に耐えられる下地がいる。なければ補強板が必要となる。
3、通路と廊下のスペース(幅)・・・車いす使用時(自操用車いすの幅:約65cm・介助用車いすの幅:約約55cmとして話しています)
◎住宅内においての車いすについて(自分で操作する場合について話しています)
1)市販車の幅約65cm+腕の可動域約15cm。ですから、一般的に直線の通路幅は最低80cm必要になります。
2)住宅内での廊下と入口の有効幅員の関係で、福祉住環境コーディネーターのテキストでは一般的に廊下・入口の関係は85p×85pと書かれています。
片方が80cmなら、もう一方は90cmとなります。
3)車いす操作の能力には個人差がある。(当事者にあったサイズをアドバイスする。)
住宅改修においては、自分の車いす操作の能力から、当事者の車いす操作のレベルを考え、そこから廊下と入口の有効幅員を想像しています
車いすの回転スペースのサイズは、公共施設では150cm×150cmとなっています。これぐらいあればほとんどの車いす利用者は回転できると思いますが、住宅内でこのスペースを確保することは難しい。
4)暮らして困らないと感じるサイズ
廊下と入口の関係で85p×85pというのは、生活に必要な最低のサイズであると考えています。
車いす操作の能力には個人差がありますので、障がいを持つ当事者にとっても介助する家族にとっても、なるべく生活し易いサイズを見つけ出すことが大切だと思っています。
4、車いす操作の仕方については、イラスト入りのA4用紙5枚をコピーしたものを配布し車いす介助の仕方を説明しました。
1)突然に押さないで、声を掛けてから車いすを押すようにしてください。
2)横断歩道などで急いで渡ろうと勢いをつけて押さない。歩車道境界部には段差があり、当事者が飛び出してしまい事故につながってしまう。
・段差に対しては、車いすを垂直にしてアプローチする。
3)人混みでは前の人の足首が見えるぐらいに距離をおく。ステップが前の人の足首に当たれば事故になる。
4)急こう配のスロープを下る時には、後ろ向きで下りる。
5)キャスター上げは、片足でティッピングバーを踏むと同時に左右のグリップを下に力を加え車いすのキャスターを上げる。
左上写真BBは、私が口頭で話したことを、澁谷先生が分かりやすく要点をホワイトボードに箇条書きにしてくれました。スロープの勾配についてもイラストを描いてくれましたので、生徒さん達に話の内容が伝わったと思います。
後半の授業では、現在の庭園の感想をお話しました。
一週間前に訪問した時と比べて全体的に見れば、それほど大きな変化はないのですが、細かい作業の積み重ねがあったようです。これがなかなか手間がいる作業のようですが、心に残る作業であるとも思います。
中央上写真BBは、通路の板石の滑り防止として、バーナーの火で板石の表面をはじいてザラザラをつくっていましたが、これがなかなか力のいる作業であったようです。
しかしながら、杖歩行の高齢者が板石の端のツヤを残した部分に、杖をついて転倒した時のことを考えると心配になってきました。
右上写真CCで、植え筒が見えていますが、タイルを切断するのと文字にしていく作業も、細かく根気がいる作業であると思います。
授業が終わって、コンクールの発表資料を頂きました。P1からP34まで、今年度の庭園についての詳細な経過が紹介されていました。
「私たちのめざすバリアフリー庭園」テーマは香り〜4年間の季節をへて〜という言葉がトップページに書かれていました。
今年度の庭園のテーマは「香り」ということで、庭園の出来上がりの「かたち」が生徒さん達にはイメージできているようです。
現在の植栽されていない庭園の様子から、私には庭園の出来上がりが想像できていませんが、今までにないテーマですので何やらワクワクしてきます。
「香り」をテーマにした庭園は初めてですし、こちらも思いつきませんでした。
実際にはまだまだ作業が残っていて庭園の「かたち」になっていませんが、やるべきことを生徒さん達一人一人が把握しているようなので、後は時間との勝負なのではないかと思っています。
次回訪問時約三か月後には、植栽されて視覚に障がいがある方々にも、より楽しめる「香り」がある庭園になっていると想像しています。
DD、植えマスと疑竹 | EE、御影石の板石 | FF、植え筒 | GG、側溝のレベル |
左写真DDは、ポンプ室のブロック壁に格子状の疑竹と板石の通路です。
通路幅は、入口2980mm、そして植えマスがあるところの通路幅は1950mm、排水溝とブロックの幅が600mmありました。車いすと車いすが、すれ違うことができるぐらいのゆったりした幅をとってありました。
中央上写真EEは、御影石の板石ですが、サイスは600×300×30と600×300×15の厚さの違う板石があるようです。そして、150×150に切断したものとを組み合わせて敷き詰めています。板石をカッターで切断するのは容易なことではなく、とても堅いので高い技術力が必要になってきます。
それにしても、うまく切断し組み合わせて大変良いデザインになっていると思います。
御影石の表面はツルツルで滑りやすいので、板石の滑り防止としてバーナーの火で石を飛ばしてザラザラをつくっていましたが、写真で分かりますように、板石の端は、元のツヤをそのまま残すデザインにしていました。
中央上写真FFで、小さなタイルを貼って「2014」という数字が見えていますが、今年度の西暦であります。植え筒は、大きな水道管を切断したもののようです。
右上写真GGは、排水溝に境界ブロックをのせて全体のレベルを出しているところです。排水溝のグレーチングについて、現在のグレーチングでは車いすのキャスター(前輪)が干渉してスムーズに移動できないので、目の細かいグレーチングに変更する予定だと聞きました。
左下写真HHで分かりますように、広い更地の部分が残っていますが、この一部は芝生にするようです。
中央下写真IIは、「50周年記念庭園のバリアフリー化パート1」から入って来られるようにスロープを設置する予定のようです。
中央下写真JJは、「50周年記念庭園のバリアフリー化パート1」との境界を撮影したものですが、右側には板石が敷き詰められて通路が出来つつありますが、左側はまだまだこれからというところです。
右下写真KKは、ポンプ室を「緑のカーテン」で覆うために、疑竹を格子状にして、植えマスにテイカカズラを定植する予定とのことす。
尾畑先生から今年度の庭園のカラー刷りの平面図を頂きました。実測で庭園の広さは142uで、板石(みかげ石)の通路、植え筒、植えマスと緑のカーテン、スロープからの転落防止に角棒石などが配置されておりました。
今年度は「香り」を楽しめる庭園にしたいということで、芳香性の植物であるロウバイ(冬〜春)・キンモクセイ(秋)・タイサンボク(夏)を中心として、サネカズラ(夏)・カロナイナジャスミン(春)・テイカカズラ(春〜夏)・スイカズラ(夏)などを植栽する予定ということです。
そして、50周年記念庭園との融合や校舎「農業課棟」の傍ということを考えて、奇抜な庭園ではなく落ち着いた控えめな雰囲気にしたいと生徒さん達が考えていることを、尾畑先生から聞きました。
HH、全体 | II、スロープ | JJ、境界 | KK、 緑のカーテン |
LL、入口 | MM、スペース全体 | NN、校舎側の側溝 | OO、側溝と石板 |
平成26年5月22日撮影 |
左上写真LLは、「50周年記念庭園のバリアフリー化パート1」のアーチの入口が面している通路側から撮影した今年度の庭園の入口であります。アーチと今年度の入口の間にブロック壁のポンプ室と浄水用タンクがあります。
コンクリートの通路を壊す作業は、石ノミや石頭ハンマーで大変力がいる作業であったということです。通路のコンクリートと玉石などを撤去し整地しながら、板石をデザイン通りに置いて行こうとしています。
中央上写真MMは、スペース全体の様子でありますが、側溝と校舎との間のスペースは来年度施工予定と先生からお聞きしました。しかしながら、写真から分かりますように、思っていたより広いスペースを作庭することになりそうです。
測量とともに整地していかなければなりませんが、この作業に22日間計160時間かかったと生徒さんが教えてくれました。今年度の全体の庭のかたちが見えていない時期の作業ですから、精神的にも大変忍耐力のいる作業だったと思います。
こういうところから我慢強い精神が生まれてくるのかもしれません。
中央上写真NNで分かりますように、庭園のなかに長い側溝があるというのも初めてのことだと思います。
右上写真OOは、一週間前(5月22日)と比較して板石がより多く置かれているのが分かると思います。通常サイズの板石がやや斜めに置かれ、間に正方形のサイズが小さい板石を入れたデザインのようであります。
今年度の通路は、上写真のようにインターロッキングブロックではなく板石でありますが、このように長い通路に板石を使用するのも初めてであります。
中央上写真MMのスペースが、これからどのようになって行くのか大変楽しみであります。
PP、50周年の庭に隣接 | QQ、スペースと通路 |
尾畑先生 撮影 | 尾畑先生 撮影 |
左上写真PPは、50周年記念庭園と「農業課棟」の校舎に挟まれたスペースであります。「50周年記念庭園のバリアフリー化パート1」で噴水の水槽に青いネットを張っているのが写真から分かると思います。
右上写真QQでは、方向を変えて撮影したもので右端に「創立五十周年記念碑」が見えておりますが、通路はコンクリート舗装の通路になっていました。
写真では影になって分りづらいですが、通路に沿って玉石が置かれていました。
今年度は、南国風の「50周年記念庭園」と「農業課棟」の校舎との間にあるスペースを作庭する予定であります。
「50周年記念庭園」に隣接した場所ですから、「50周年記念庭園」の延長として南国風にするのだろうか、通路はインターロッキングブロックにするのだろうか、ポンプ゚室のブロック壁はどのように処理されるのだろうか、教室から常に生徒さん達から見られている庭園としてどのような工夫がなされるのかなど大変楽しみであります。
平成27年 4月 上旬現在
まくあいのこかげの入口 | 各庭園のイラスト |
平成26年3月31日 撮影 | 平成26年3月31日 撮影 |
※案内板は、下記説明の「山野草園」「実のなる庭の実のなる木」「四季を彩る庭」「流れのある庭」「バリアフリー展望台「友集の丘」「和楽の庭」「見本庭園のバリアフリー化」「干拓地の生き物を知る」「万葉の小径」「まくあいのこかげ」など、10庭園の位置情報であります。
私はたまに京都の観光地(神社や寺)や町を散策することがありますが、古い建物とバリアフリーとの融合の難しさを感じます。ここの「バリアフリー庭園」では当初から和風テイストのうえにバリアフリーやUD(ユニバーサルデザイン)をうまく融合させているように思います。京都の観光地(神社や寺)や町とは趣が違いますが、和風テイストとともにここ独自の庭づくりに挑戦していてほんとに素晴らしい庭(空間)が出来上がっていると感じております。
バリアフリー庭園は平成13年度から作庭していますが、高齢者や車いす利用者や視覚に障がいがある方そして子供さん達などが容易に庭園内を散策できるようになっています。
このサイトでは3年目の平成15年度から庭園の紹介をしております。
平成13年度の「山野草園」では「露地門」や「灯篭」や「水琴窟」、平成14年度「実のなる庭の実のなる木」では「四つ目垣」や「スロープ」、平成15年度の「四季を彩る庭」では「木製のかけ橋」や「石垣」や「花時計」、平成16年度の「流れのある庭」では「浅瀬の細長い池と石橋」や「乱杭(木製)のキャスター止め」、平成17年度の「バリアフリー展望台「友集の丘」では「らせん状の石垣」と「長いスロープ」、平成18年度の「和楽の庭」では「石の顔」にこだわり「矢掛の青御影や万成石や豊島の石」などを配置したり、パーゴラと長いすの周りに集うことがでるスペースをつくったり「盆栽」置場として整備してきました。
平成19年度の「見本庭園のバリアフリー化」では「露地門」や「建仁寺垣」や「腰高麗袖垣」そして「山目地の工法による石畳のバリアフリー化」をし、平成20年度の「干拓地の生き物を知る」では絶滅危惧種に指定されている魚や植物の保護のために細長い池をつくり、各庭園を石橋やインターロッキングブロック舗装で結び一つの庭として高齢者や車いす利用者や子供さん達などが容易に散策できるようにしました。
平成21年度の「万葉の小径(まんようのこみち)」では、時という壁(バリア)を超えて万葉人(まんようびと)の心に触れられるような庭園をつくりました。石の桁と板をつかった橋や転落防止の竹の柵、インターロッキングブロック舗装、縁石・乱杭・低い四つ目垣・太い竹の車止めなど、これまでの庭園施工の技術面がまとめて取り入れられています。
万葉集で詠まれた花を庭や植枡に植栽し、生徒さん達や先生方の短歌も紹介しています。
平成22年度の「まくあいのこかげ」(「幕間の木陰はひらがなで明記」)は、バリアフリー庭園をつくり始めてこの周辺の区画では10年目の最後の年で、バリアフリー庭園全体の入口となる庭園をつくることになりました。車いす利用者が使用できる洗面台や子供さんのための足洗い場、屋根のある休憩所や長いす、滝や大きな樹木の木陰などがあり、皆さんがくつろげる広場となっております。
平成23年度は「50周年記念庭園のバリアフリー化」ということで、40年前に「50周年記念庭園」として先輩方が寄贈してくれた庭園を、先輩方の思いを大事にしたいと考え、噴水や樹木(ワシントンヤシ・フェニックス・ヒラドツツジ・サツキなど)を残しながら、いかに自分達らしい庭園のバリアフリー化をすることでありました。
正面入口通路の他3つの通路も通路幅を広げゆるやかな勾配のスロープになっていて、噴水周りの通路とともにインターロッキングブロックを敷き詰めています。水槽の内側にネットを張って安全性を確保する方法に大変驚きそして大変感心いたしました。大変素晴らしいアイデアだと思っています。
正面入口のアーチや屋外に常時設置の石のテーブルがあることで、癒される空間になっていますので高齢者・車いす利用者・子供さん達など皆さんがこのスペースで憩うようになると想像しております。
平成24年度は「50周年記念庭園のバリアフリー化」に隣接するスペースで、こちらもを「50周年記念庭園」として先輩方が寄贈してくれた庭園でした。「50周年記念庭園のバリアフリー化パート2」として作庭しましたが、「かけ橋」の作り直し、大きな石の上に日時計がある石碑とその周り、そして大きな日時計と休憩所がある広場など、離れた三ヶ所のスペースを施工しております。
広場のインターロッキングブロック舗装にはハートマークを多用して、時には癒される空間、時にはアクティブな空間として、使用する人の気持ちしだいで様々な空間としての顔を見せてくれる楽しみな庭園であります。
昨年度の「LINK〜時を刻む〜」は、中庭にあります「80周年記念庭園(くじらの庭)」の横区画のスペースで、庭園内に農業機械科の生徒さん達が製作した「UDのテーブル&いす」を置いたり、家政科の実習授業のためにカラフルな植筒にハーブの植栽や、支柱が御影石の大小の流し台を設置したりと、造園デザイン科だけでなくそれぞれの科との「つながり」を考えて作庭した庭園であります。
東屋のいすに座って、周りが石積され中心に植栽された各樹木を見渡すことができ、春夏秋冬の時を刻むことのできるとてもゆったりした趣のある大変素晴らしい庭園になっています。 カラフルな植筒は、車いす利用者や背の低い子供さん達の目線の高さのことを考え、様々な高さにしています。
区画ごとにテーマは違いますが、興陽高校では各庭園を「バリアフリー庭園」と呼んでおります。では、なぜバリアフリー庭園と呼んでいるのか。それは、物理面でUDを目指した作庭というだけでなく、バリアフリーをより広くとらえて日本の伝統的文化や歴史そして自然保護なども考えてきたからであります。
また、昨年度は、造園デザイン科だけでなく農業機械科とのコラボや家政科の実習などとのつながりを考えて庭園を作庭しましたが、一つの学科にとどまらず他の学科との壁を作らないということで、これもある意味でバリアフリーであると考えています。
どうぞ、「バリアフリー庭園」全体を散策して、生徒さん達の作品と「思いやり」を堪能していただきたいと思っております。
平成15年度「四季を彩る庭」 / 平成16年度「流れのある庭」 / 平成17年度の「バリアフリー展望台「友集の丘(ゆうしゅうのおか)」
平成18年度「和楽(からく)の庭」 / 平成19年度「見本庭園のバリアフリー化」 / 平成20年度「干拓地の生き物を知る」
平成21年度「万葉の小径(まんようのこみち)」 / 平成22年度「まくあいのこかげ」 / 平成23年度「50周年記念庭園のバリアフリー化」
平成24年度「50周年記念庭園のバリアフリー化パート2」 / 平成25年度「LINK〜時を刻む〜」 / 平成26年度「香楽園(こうらくえん)」
平成27年度「鳥達の集う滝」と「クジラの庭のスロープ」 / 平成28年度「記念庭園のバリアフリー化」 / 平成29年度「記念庭園のバリアフリー化」のパート2
平成30年度「記念庭園のバリアフリー化パート3」 / 令和元年度「記念庭園のバリアフリー化パート4」と記念碑周りの整備